筋力や歩行速度よりも、老化の度合いがわかる【片足立ち】60代は30秒維持が目安|研究から明らかに
片足立ちは、総合的な健康状態を評価する上で、歩行能力や握力よりも優れた測定方法であることが分かった。 新しい研究によると、バランス感覚の変化は、筋力や歩き方の変化よりも、より明確に老化の度合いを示すことが分かった。この研究には男性20名、女性20名の合計40名が参加した。参加者の半数は平均年齢56歳、もう半数は平均年齢74歳だった。結果、体格を考慮した上で、片足立ちを維持できる時間は、非利き足では10年ごとに2.2秒、利き足では10年ごとに1.7秒の割合で減少することが分かった。また、握力や膝の強さ、歩行速度など、その他の筋力要因との比較も行った。すべての測定値が加齢に伴い低下し、利き手の握力は10年ごとに3.7%の割合、膝の強さは10年ごとに1.4%の割合で低下したが、その中でも、片足立ちの状態でバランスを取る能力の低下が最も速いペースで起っていた。 メイヨー・クリニックの研究員でこの研究の上席著者のケントン・カウフマン博士は、「片足立ちは、総合的な健康状態を測る良い指標となります。なぜなら、バランスを取るには筋力だけでなく、全身のシステムが連携して機能する必要があるからです。」と話す。 <写真>筋力や歩行速度よりも、老化の度合いがわかる【片足立ち】60代は30秒維持が目安|研究から明らかに ■高齢者の転倒の危険性 バランス感覚が無いと、転倒の危険性があります。とカウフマン博士は言う。「転倒は深刻な健康リスクであり、生活を一変させる結果を招く可能性があります。バランス能力が優れていると、転倒の心配をせず、日常生活を送ることができます。」と述べた。 ■どれくらいの時間、片足で立ってられればいい? バランス能力は怪我の予防に重要であり、目安としては、69歳以下の人であれば30秒以上、70歳から79歳の人であれば20秒、80歳以上の人であれば10秒間、片足で立つことができることが望ましい、とカウフマン博士は話す。 ■バランス感覚を向上させる方法 片足立ちの練習をすることで、自宅でもバランス能力を向上させることができる。より安定性を高めるには、少なくとも30秒間を目標にしてみよう。 「幸いにも、バランス感覚のトレーニングは簡単で、どこでもできます。必ず転倒しないように細心の注意を払い、壁などで体を支えられるようにしながら行いましょう。そして片足で立っていられる時間を計ってみてください。片足で30秒立っていられれば上出来です。」 「65歳以上のグループでは、平均11秒でした。 懸念される数値は5秒以下です。これは転倒のリスクが潜んでいることを意味します。片足立ちをすることで、筋肉と平衡感覚の反応を調整し、正しいバランスを維持するトレーニングになります。バランスは鍛えれば維持しやすくなります。特別な器具は必要なく、毎日行うことができます。」とカウフマン博士は述べる。また、この研究では50歳以上の成人だけを対象としているが、片足立ちテストは若い人にも適用できると言う。「若い頃からバランス能力を鍛えていれば、高齢になってもそれを維持できるはずです。」と述べている。 出典 To See How Well You’re Aging, Try Standing on One Leg|EVERYDAY HEALTH How long can you stand like a flamingo? The answer may reflect your age, new study says|CNN Health 文/HIDEMI
HIDEMI