世界でたった1台の超希少車!? ブルネイ王室のために作られた「ベントレー・ワゴン」を発見 どんなクルマ?
希少なブルネイ王室仕様のベントレー シューティングブレーク
ラグジュアリーカーのなかでも最高級に位置する自動車メーカーが、英国発の「ベントレー」です。 【画像】世界に1台!? ベントレー「ターボR」のワゴンモデルを写真で見る(30枚)」
ベントレーは現在こそフォルクスワーゲンの傘下ですが、1998年までは「ロールスロイス」に吸収合併されていて、ショーファーカーのロールスロイスに対し、ベントレーは自らハンドルを握るドライバーズカーとしてクルマ好きな富裕層から高い支持を得ていました。 パワートレインにおいても、静粛性を追求したロールスロイスはV型12気筒エンジンを搭載するモデルが主流でしたが、ベントレーにはV型8気筒にターボを組み合わせるなど、当時の高級サルーンには異端的な存在といえるでしょう。 インテリアは贅の限りを尽くしており、最高級といわれるコノリー社のレザーや木目調ではなくバー・ウォールナットの本木目を使用したパネルがメインで採用されていました。 とくに1990年代のベントレーは、2ドアクーペの「コンチネンタルR」など個性的なモデルが人気を集めていましたが、ベントレーを一躍有名にしたモデルが「ターボR」です。 ターボRは6.75リッターV型8気筒エンジンにシングルターボを組み合わせ、エクステリアをエアロパーツで武装し、足廻りも固めたスポーツサルーンです。 ロールスロイスの高級感とベントレーならではドライバーズカーに特化したハイパワーなターボRは、世界中で支持を得ることに成功しました。 そして今回、ターボRをシューティングブレーク(ステーションワゴン)化したモデルが、オンラインオークション大手の「コレクティングカーズ」に出品されて注目を集めています。
ブルネイのジェフリー・ボルキア王子も使用
今回の出品車両は、ベントレー「Val D'Isere(ヴァルディゼール)」で、年式は1992年、ボディカラーはブルー、走行距離は1万3462マイル(約2万1664km)となっています。
Val D'Isereは、ターボRをベースに、ベントレーのコーチビルダーとしても有名な「ロバート・ジャンケル・デザイン社」によってワゴン車に改造されました。 さらに油圧システムに接続されたフロントハブのモーターを使用することで、全輪駆動システムを装備する希少なモデルでしたが、快適性を高めて旋回半径を小さくするため、全輪駆動システムは解除済みです。 足廻りにはポリッシュ仕上げの17インチのアルミホイールとミシュランのタイヤが装備されています。 そして、今回の個体はもともと英国で登録され、その後ブルネイ王室のために製造された珍しいモデルです。 このクルマはジェフリー・ボルキア王子も使用していたと考えられており、サンバイザーのミラーカバーには王子の写真が描かれています。 インテリアはフルオーダー仕立てで、ブルーとイエローのツートーンのレザートリムのキャビン、広範囲にわたるバールウォールナットのインレイ、キルティングのヘッドライナー、ブルーのカーペットが採用されています。 そして、今回の個体は2023年8月に11,500マイル走行した時点で最後に整備され、キャリパーの整備、オイル、シール、ホース、パイプ、ブレーキパッドの交換が含まれています。 ※ ※ ※ 今回の出品車両はすでにオークションが終了していて、落札者ナシの状態で終了しています。 Val D'Isere自体、現存する個体がほとんどないだけでなく、低走行車ということもあってベントレーのコレクションに加えるには最高の一台といえるほどで、カーショーやイベントでも注目を集めることは間違いないでしょう。
Peacock Blue K.K.