北欧の神秘を絵画で堪能 長野県松本市美術館で13日から特別展
ノルウェー、スウェーデン、フィンランドの19世紀~20世紀初頭の絵画を集めた特別展「北欧の神秘」が13日、松本市中央4の市美術館で開幕する。各国立美術館のコレクションを初めて日本でまとめて展示する巡回展の2会場目で、特有の風景や神話などを幻想的に描いた北欧独自の絵画世界に触れられる。9月23日まで。 北欧美術の黄金期とされる1900年前後の作品を中心に、ノルウェーのエドバルト・ムンク(1863~1944)をはじめ各国を代表する画家47人の68点を展示した。大陸諸国にならって表現していた北欧の画家たちが母国の独自性を求めるようになった時代で、厳しい気候風土に育まれた自然風景、神話や民間伝承、急速に発展した都市景観などを題材とする作品がそろう。 フィヨルドの雪景色や雄大な山岳といった自然の力を感じさせる作品、怪物や妖精として多くの物語に登場する「トロル」などが目を引く。現実世界の作品にも薄暗く人けのない夜の街など神秘的な作品がある。 市美術館など主催、市民タイムスなど共催。12日はオープニング式典と関係者向けの内覧会が行われた。担当学芸員の中澤聡さんは「北欧はデザインやテキスタイルのイメージが強いが、素晴らしい絵画がそろう。時代的な空気も感じていただければ」と話している。
市民タイムス