「トド」発言で謝罪の和田アキ子 フワちゃんと重なる危うい共通点とは
アッコさんの「乱暴芸」はツッコミがあってのもの 近年指摘されてきた感覚のズレと新たな口癖
ご意見番という役割のタレントに求められるのは、普通の人なら口にしにくいような言葉をズバッと言い切ることである。むしろ、一般常識とはかけ離れた鈍感さや口の悪さがあればあるほど、熱狂をもって迎え入れられるといえるかもしれない。 ただアッコさんはその加減を読み間違えた。その兆候は、すでに数年前からあったといえる。スカッとするという共感ではなく、時代錯誤のズレた意見としてボヤを起こすことが続いていたのだ。特に、今回のように「かわいい」の雑な使い方でたびたび問題になっている。 動物つながりではWBCで活躍したヌートバー選手を「一歩間違えたらアレだけど」「あの歯がビーバーみたいでかわいくて」と表現し炎上。議会中にスマホゲームをしていて問題視された宮城県大河原町の町議にも「(小学生に指摘されたのが)かわいい」とコメントし、この時は放送中の謝罪に追い込まれた。アスリートであれ議員であれ、アッコさんにしてみれば「かわいい」か「かわいくないか」と点数を付ける対象としか見ていない。やはり「テレビタレント>それ以外の人」というニュアンスを感じたものである。 そうした芸風によって視聴者からの反感を買わないよう、アッコさんもフワちゃん同様に「実は泣き虫」「実は繊細」という面を出すことを意識していた向きもある。酒癖の悪さや乱暴者ぶりを武勇伝のように語ることもあったものの、いわゆる「アッコファミリー」の面々が、「あれがアッコさんの愛情表現だから」とか「ゴリラみたい」と通訳やツッコミを入れることで、笑える空気になっていた。 ただ近年の、いともたやすく炎上する風潮の中では、ファミリーたちも及び腰になっていたのではないか。アッコさんも、自ら「こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど」と予防線を張ってから発言するようになっていた。しかしその枕詞は、全く機能することがなかった。もっと言えば、無自覚に世間とズレている発言は、浮世離れしている大物芸能人の証しだと、どこかで思っているふしがあったのでは、と思うのである。