子どもが朝起きられないのは「だらしないから」じゃない!原因と対策、起こし方は【医師監修】
【考えられる原因2:睡眠の質の低下】 睡眠時間はとれていても、睡眠の質が低いと十分に脳と体を休められず、朝起きられなくなることがあります。部屋の明るさや温度、寝ている間の音、寝具、スマホやゲーム等の寝る直前の行動など睡眠の質に影響を与えるものは数多くあります。不安やストレスを抱えている場合にも、眠りが浅くなるでしょう。 <睡眠の質の低下の簡易チェック> ●睡眠時間は十分とれているのに、すっきりしない ●眠りが浅い ●何度も寝返りを打つなど寝苦しそうにしている ●不安やストレスを抱えている様子で元気がない 【考えられる原因3:起立性調節障害】 思春期(小学校高学年~高校生)に多い起立性調節障害(Orthostatic Dysregulation:通称OD)が原因で、朝起きられないケースもあります。起立性調節障害は、自律神経のコントロールが乱れることによる病気であり、次のような症状が見られます。 起立性調節障害の症状 ●朝、起き上がるときに頭痛やめまい、立ちくらみ、倦怠感(けんたいかん)が出る ●食欲不振 ●動悸(どうき) ●頭痛 ●午後になると回復することが多い 起立性調節障害は、「夜更かししているのでは?」「怠けているのでは?」と誤解を受けることも多いですが、体(自律神経)の病気であることを理解しましょう。罹患(りかん)している場合はさまざまな症状で苦しんでいる可能性があります。 下記の11項目のうち3項目以上当てはまる場合は、受診を検討しましょう。 <起立性調節障害の簡易チェック> ●立ちくらみ、あるいはめまいを起こしやすい ●立っていると気持ちが悪くなる。ひどくなると倒れる ●入浴時あるいは嫌なことを見聞きすると気持ちが悪くなる ●少し動くと動悸あるいは息切れがする ●朝なかなか起きられず午前中調子が悪い ●顔色が青白い ●食欲不振 ●臍疝痛(さいせんつう※)を時々訴える ●倦怠感あるいは疲れやすい ●頭痛 ●乗り物に酔いやすい ※臍疝痛:おへその周囲の痛み 出典:(『小児起立性調節障害診断ガイドライン 改訂第3版』日本小児心身医学会,2023)