クルマの「怒り顔」 20選 意外と好印象? 不機嫌そうに見えるデザイン
スズキ・アルト・ターボRS
スズキは1979年からアルトを生産しているが、第8世代(2014年~2021年)のフェンダー造形と角度のついたリアピラーからはスズキの “本気度” がひしひしと伝わってくる。中でも、一番目を引くのはヘッドライトだ。 つり上がったヘッドライトがフロントフェイスの大きな面積を占め、特にアルト・ターボRSに厳しい表情を与えている。しかし、その後アンガーマネジメントの社内研修でも受けたのか、最新モデルでは(ライトを含む)特徴の多くが柔らかい印象となった。
ルノー8
1960年代、ルノーは各モデルに番号を割り振って区別するようになった。1962年から1973年まで生産された「8(ユイット)」は、全長4mのセダンで、大半はブルガリアの工場で作られている。リアエンジンのため、フロントエンドには冷却用のグリルが必要なく、代わりに円形のライトとボンネット中央の鋭い折り目によって顔が形作られている。 後者は市販車になかなか見られない珍しい特徴で、「ムッ」と眉をひそめているような印象を受ける。ドライバーたちはルノー8を陽気なキャラクターだと評していた。ブーランジェリー(ベーカリー)の外でおしゃべりする姿が目に浮かぶようだ。
シムカ1000
第二次世界大戦後、シムカはフランス最大級の自動車メーカーとして一世を風靡したが、1978年までに完全に消滅した。1961年に発売された1000は、同社で最も成功したモデルの1つである。今となっては普通の形に見えるかもしれないが、1950年代当時としては画期的なデザインだった。 小柄ではあるが、存在感は大きい。その表情からは「これから行くべき場所がある」という強い意思が感じられ、目的地へたどり着くためには他人を押しのけてでも行くだろう。ライトの上にある「眉」の形が、そうした雰囲気を醸し出している。
ダイハツ・コペン
ダイハツ・コペンは、フルモデルチェンジで “態度” が大きく変わった。初代コペンは明るくにこやかな性格のスポーツカーで、日本では660ccの軽自動車だが、英国仕様ではパワフルな1.3Lエンジンを搭載している。現行型コペンは、突き出るようなショルダーラインと大きな台形グリルを獲得した。 斜めのエッジを持つライトとボンネットの膨らみが力強い印象を与えている。ボディ色が気に食わないのか、雨を敵視しているのかはわからないが、コペンは明らかに腹を立てている。