「最近、食欲がすごい」「寝てるのに眠い」etc...それ "冬季うつ" になってるかも? 女性に起きやすい症状をドクターが解説
やる気が出ない、休日出かけようと思ったけれど寝てしまった、ちょっとしたことで落ち込むことがある……。最近、こんな変化を感じたことはないだろうか。 【写真】ちょっと疲れちゃった...そんな時に食べたい「元気をくれる」ヘルシー食品BEST19 「毎年冬になると同じようにテンションが下がってしまう、やる気が出ない、落ち込みやすいと感じる人は、『冬季うつ病』や『ウインターブルー』と呼ばれる『季節性情動障害(SAD)』の可能性があります」というのは、ともクリニック浜松町・院長で日本精神神経学会認定専門医の福永伴子医師だ。
過食・過眠の傾向がある人は、冬季うつを疑って
この冬季うつ病のもっとも大きな原因は、日照時間が影響しているという。 「季節性情動障害は、気温や気圧などが関係するものもありますが、冬はほかの季節に比べて日照時間が低下します。日差しは、脳内で分泌される神経伝達物質のひとつであるセロトニンに深く関係しています。このセロトニンは、別名“ 幸せホルモン”とも呼ばれ、分泌量が低下すると気分の落ち込みなど、うつ症状が出やすくなると言われています」。 しかし、冬季うつ病は通常のうつ病とは異なる点も多い。 「うつ病と聞くと、落ち込んで何もできない、眠れない、食欲が出ない、といった症状を連想する方が多いかもしれません。ですが、冬季うつ病の場合、特徴があります。それは、過眠と過食です。 冬季うつ病は寝たのに眠い、起きるのがおっくうでいつまでも寝てしまうケースが見られます。また、食べ過ぎてしまうのも症状のひとつと言われています。特に炭水化物や甘い物を欲しやすく、必要以上に食べてしまうという症状があらわれる人もいます。冬はお正月やバレンタインデーなど、ついつい食べ過ぎてしまいがちな誘惑が多くありますが、落ち込みややる気の低下とともに、過食や過眠が続く場合は、冬季うつ病を疑ってもいいかもしれません」
1日の中で日光を浴びる時間をつくる
さらに、この冬季うつ病は、男性に比べて女性の罹患者が圧倒的に多いという。 「もともとうつ病の罹患率も女性のほうが高いという傾向があります。女性は、月の中で女性ホルモンの変動があり、それに合わせて気分の落ち込みが起こりやすい傾向があります。そういったタイミングと重なると症状が強く出てしまう方もいます。 気分の落ち込みや過食・過眠がある人はまず、朝は決まった時間に起きて、窓を開けて朝日を浴びるなど、生活の中で日光をできるだけ長く感じるように心がけてみましょう。また、うつ病の対策として運動もとても効果的です。冬は特に積極的に日差しを浴びてほしいので、日中の時間に行うウォーキングがおすすめです。 さらに気をつけてほしいのが食事。レバーや乳製品、大豆など、幸せホルモン=セロトニンの原料となる『トリプトファン』を多く含む食材を意識して摂るようにしてみましょう。こういった生活改善をしても、つらい症状が2週間以上続く場合は、一度精神科や心療内科を受診するといいでしょう」
Harper's BAZAAR JP