脳のがんを患った少女、ガザの家族を思い入院先の東エルサレムで死去…両親は葬儀出席かなわず
ガザ市リマル地区に住んでいたアミーラさんは昨年5月、激しい頭痛を訴え、倒れた。医師に処方された鎮痛剤は効かない。別の病院で昨年8月、レントゲン検査を受け、脳のがんに侵されていることが判明した。
ガザの医療水準では手に負えず、昨年9月8日にガザから東エルサレムの病院に救急車で搬送された。同病院の心理カウンセラー、マルワ・ヘルザッラーさん(37)によると、アミーラさんは体に負担がかかる放射線治療も「お父さんと妹に会うために生きたい」と歯を食いしばって受けた。
翌10月にガザで戦闘が始まり、ガザに戻れなくなった。自宅はこの月に空爆を受け、全壊した。父と妹は、避難して無事だったが、現在は避難先のハンユニスのテントで暮らす。ハンユニスが空爆されるたびにアミーラさんは「お父さんは無事なの」「妹は怖がっていないの」とパニックになった。
母親のイマーンさんは日々、ガザに電話するが、通じないことが多い。電話がつながると、妹のミーナさんは「早くお母さんと会いたい」と泣く。イマーンさんは「爆弾が落ち、食料と水のないガザで、夫と、もう1人の娘が生きていると思うと、気が狂いそうになる。早く戦争が終わり、家族で暮らしたい」と悲痛な思いを訴えた。