会社のルールで「残業代」は15分ごとの支給です。ただ毎日10分ほど「必須の残業」が発生するのですが、それでも残業代は“切り捨て”になりますか?
1日10分の残業代が切り捨てられなければ残業代はいくらもらえた?
10分単位の残業が認められていたら、どれくらいの残業代がもらえたのでしょうか? 月給が25万円、1ヶ月あたりの所定労働時間が168時間、10分間の残業を月に21日間行ったというケースを例に、次のステップでシミュレーションしてみます。 1. 1時間あたりの賃金を求める 25万円÷168時間=約1488円 2. 月に21日間、10分間の残業をした場合の月間残業時間 10分×21日間=3.5時間 3. 残業代を計算する 約1488円×3.5時間×1.25倍(※)=約6510円 ※週の労働時間が40時間を超える場合は25%の割増賃金となるため1.25倍 1ヶ月で約6510円、年間で約7万8120円の残業代が失われていたことになります。決して小さな金額ではないはずです。
就業規則は関係ない! 残業代は1分単位でもらおう!
残業代は1分単位で支払われることが基本で、15分以内は切り捨てるといった計算方法は違法です。仮に就業規則で定められていて、それに同意した過去があったとしても、法律に反する就業規則に効力はありません。会社の指示があって毎日10分間の残業をしているのであれば、残業代を請求すべきなのです。 未払いの賃金や残業代は3年までさかのぼって請求できます。しっかりと請求すれば、もしかしたら数十万円の未払い残業代を受け取れるかもしれません。 厚生労働省は、全国379ヶ所に総合労働相談コーナーを設置しています。会社に直接言いにくい人は、まずはこういった公的機関に相談してみても良いでしょう。 出典 厚生労働省 大阪労働局 よくあるご質問(時間外労働・休日労働・深夜労働) 厚生労働省 神奈川労働局 川崎北労働基準監督署 割増賃金の計算方法 e-Gov法令検索 労働基準法 厚生労働省 総合労働相談コーナーのご案内 執筆者:浜崎遥翔 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
ファイナンシャルフィールド編集部