若葉竜也が日本のドラマ界を変える? 三瓶役が話題の『アンメット』で担う役者以上の役割
“三瓶ファン”が急増した第1話における若葉竜也の“ピース”
筆者のなかでとくに印象に残っているのは、第1話。記憶障害を抱えるミヤビが、三瓶の顔を覚えておくために「写真を撮っていいですか?」と聞くシーンでのこと。今となっては、実は温かい人というのが分かっているので、そんなに驚くことはないと思う。ただ、序盤の三瓶はとにかく無愛想だったため、「写真撮られるのなんて、嫌だ」と拒否するのでは……? と勝手にヒヤヒヤしてしまった。 しかし、三瓶は「どーぞ」と快諾。それどころか、ゆるっとピースまでしてみせたのだ。このシーンで、一気に三瓶ファンになった人も多いのではないだろうか。筆者も、このピースを見た瞬間、「若葉竜也、最高すぎる……」と心のなかでガッツポーズを取ってしまった。 また、第2話にメインゲストとして出演した島村龍之介と黒田昊夢は、若葉が発案したオーディションで選ばれたらしい。サッカー強豪校を舞台とした第2話は、彼らのフレッシュな演技が見どころになっていた。 なかでも、島村は身体の左側の感覚をすべて失う“左半側無視”という後遺症を患う難役に挑戦。未視聴の方はぜひチェックしていただきたいのだが、『アンメット』をきっかけに、さまざまな作品に出演することになるだろう……と誰もが確信するほどの表現力を見せていた。 経験が浅い役者に、難度の高い役をあてがうのは、スタッフ陣もかなりの覚悟が必要だったはずだ。ただ、『アンメット』には若手を育成させられるだけの心の余裕がある。それは、主演の杉咲をはじめとし、若葉に井浦新に岡山天音に……実力派のキャストが勢揃いしているからできたこと。 このドラマは、一体どこまで突き抜けてしまうのだろう。第3話も、重厚感のある素敵な時間が堪能できるのを楽しみにしている。
菜本かな