『鬼滅の刃』柱を引退した元音柱・宇髄天元が「柱稽古」に参加した“深い理由”
【※ネタバレ注意】以下の内容には、アニメ、既刊のコミックスのネタバレが一部含まれます。 【写真】鬼殺隊「最強」と言われる“柱”はこちら 『鬼滅の刃』アニメ第3話から、本格的に柱稽古がスタートした。「マンガ原作に忠実」と評価の高い鬼滅アニメだが、26日放送の3話目では、アニメオリジナルのエピソード(いわゆるアニオリ)が多く含まれていた。ここで話の中心となったのは、元音柱・宇髄天元だ。「柱」を辞めた後も人気は根強く、放送後すぐにトレンドワードになり、SNSでも「天元さま!」「宇髄さん!」との声が多く上がった。宇髄は「遊郭の鬼」との戦いで左腕、左眼を失う大けがを負い、柱からの引退を表明した。にもかかわらず、「柱稽古」に参加したのはなぜか。それは、引退してもなお、宇髄にしか“できないこと”があるからだ。鬼殺隊における彼の重要な役割と、宇髄自身の「鬼殺隊への思い」について考察する。 * * * ■元音柱・宇髄天元の「しごき」 柱稽古は、元音柱・宇髄天元の「体力向上訓練」から始まった。アニメでは、宇髄が剣士たちに「ハイハイハイ地面舐めなくていいから まだ休憩じゃねぇんだよ」と、厳しく叱咤していた。トレードマークとも言える、あの巨大な「2本の日輪刀」を竹刀に持ちかえていたことが印象的だ。 彼は「遊郭の鬼」との死闘によって、左腕と左眼を失っている。稽古に参加した炭治郎に、元気そうで良かったと声をかけられると、自嘲気味に、目元の派手な眼帯を、トントンと指で触りながら、こう答えた。 「元気つったって こんなザマだけどよ」(宇髄天元/鬼滅アニメ・第3話) 宇髄は後輩たちのことを「どうしようもねぇな 質が悪い!」と言っているのに、それでも訓練に根気よくつきあってやっている。引退したにもかかわらず、だ。なぜなら、宇髄は「鬼殺隊」に対して特別な思いがあるからだ。
■宇髄天元が引退した「理由」は? 宇髄には、「遊郭の戦い」で大切な妻が危険にさらされた時に、かつて彼女が言った、「上弦の鬼を倒したら一線から退いて 普通の人間として生きていきましょう」という言葉を思い出すシーンがある。結果として、宇髄は、遊郭に潜入していた3人の妻を守りきり、炭治郎・伊之助・善逸、そして禰豆子を死なせることなく、上弦の鬼2体を倒したが、宇髄は妻たちとの約束を果たすことを決意する。 「俺は引退する さすがにも戦えねぇよ お館様も許してくださるだろう」(宇髄天元/11巻・第97話) 蛇柱・伊黒小芭内から「お前程度でもいないよりはマシだ死ぬまで戦え」とまくし立てるように言われても、宇髄は笑いながらそれを拒否している。 「いいや若手は育ってるぜ 確実に お前の大嫌いな若手がな」(宇髄天元/11巻・第97話) ■宇髄天元と炭治郎の実力差 原作では、訓練に参加した炭治郎と、宇髄との会話シーンはあっさりしたものだった。一方、アニメでは宇髄が炭治郎に「稽古をつけてやる」様子、つまり、片手・片目の状態の宇髄が、それでもなお強いことが丁寧に描かれていた。しかし、これはアニメ制作側が、独自に補完した内容というわけではない。 実は原作でも、炭治郎が宇髄の訓練を終えるのに「10日程で次の柱の所へ行く許可が下りる」(15巻・第132話)としっかり書かれている。つまり、下弦の鬼に続いて、上弦の鬼を撃破してきた炭治郎ですら、なんと基礎訓練に10日もかかったのだ。やはりまだまだ宇髄に教わる必要があった、ことが明確に示されている。 宇髄の訓練の「アニオリの場面」は、追加要素はあるものの、原作の本筋に“忠実に”作られていたといえよう。