初場所で綱とりの大関豊昇龍が稽古始め 16番全勝で抜群の仕上がり 初詣おみくじの結果は…
大相撲の大関豊昇龍(25=立浪)が、成績次第で横綱昇進の可能性がある初場所(12日初日、東京・両国国技館)に向けて、年明け最初の稽古で抜群の仕上がりを披露した。3日、東京・墨田区の出羽海部屋で行われた、出羽海一門の連合稽古に参加。御嶽海、平戸海、豪ノ山の前頭3人を相手に連続16番取って全勝だった。「いい感じに稽古できた。新年初の稽古だったので、自分の動きに注意して稽古した」と、充実感を口にした。さらに「番付は大関で終わりじゃない。もちろん上を目指して頑張ります」と、横綱昇進への意欲を隠さなかった。 この日は稽古場に入るなり、てっぽうを始めた。昨年9月の秋場所後、四股、すり足など基礎を重視してきた中で、てっぽうは1日500回を目安に繰り返してきたという。「いい感じに体も温まるし、押し相撲には、てっぽうが1番。立ち合いの後、腕も伸びているし、いい感じ」と、この日の稽古では、立ち合いから突いて出る相撲が目立った。押し相撲の豪ノ山にも、立ち合いからの突きで主導権を握る場面が多かった。 昨年11月の九州場所では、大関琴桜との千秋楽相星決戦に敗れ、わずかに2度目の優勝とはならなかった。初場所は、その琴桜とともに綱とり。ただ琴桜に対する意識を問われると「してないです。自分は自分なので」ときっぱり。初場所後の横綱昇進には、優勝が絶対条件ともいえる状況だが「優勝は毎場所狙っている。ただ今は、1日1番、しっかり集中していけば、優勝はついてくると思っている。優勝とかではなくて、その日の相撲だけに集中して、稽古して、稽古したことを信じて、場所に向かいます」と、気負いはない。 年末年始は部屋の稽古が休みだったが、トレーニングは欠かさず続けていたという。年明けには初詣に行き、おみくじも「やった」というが、大吉など何が出たかは「言いません!」と話して満面の笑み。良かったのか、悪かったのかも不明だが、おみくじの結果などでは動じない、心の余裕と充実感を漂わせていた。【高田文太】