センバツ高校野球 石橋 グラウンド共用、仲間からエール /栃木
第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)に出場する石橋は、グラウンドをサッカー部、陸上部、ハンドボール部と共用しながら練習に励んでいる。厳しい練習を近くで見守ってきた他部の生徒たちも、野球部の甲子園出場を喜び、エールを送る。【鴨田玲奈】 ◇「全力で楽しんで」「実力を発揮して」 サッカー部は野球部の隣で毎日練習をしており、防球ネットで仕切られてはいるが、野球ボールやサッカーボールが飛んでしまったときは、「あぶなーい!」と声を掛け合っているという。また、野球部がグラウンドで練習試合をしたい時は、サッカー部は近くの大松山運動公園で練習をするなど、顧問同士で調整をしながら、譲り合って使っている。坂部晴彦さん(2年)は「野球部からはいつも選手たちの声が聞こえていて、活気がある」という。時々、福田博之監督の大声が響き、「かなり怖くて、サッカー部までおとなしくなる。そんな厳しい練習にも積極的に頑張っている選手たちはすごい」と話す。 坂部さんは、1年生のときに横松誠也主将(同)や山口響選手(同)らと同じクラスでとても仲が良かったという。今でもゲームをしたり、他愛もない話をしたりして、夜遅くまでグループ通話をすることもある。坂部さんは、石橋がセンバツに出場することが決まった瞬間を思い出し「本当にうれしかった。横松はずっとけがで苦しんでいたので、よかったなと思った」と喜ぶ。 主将の斎藤祐太さん(同)は、石橋卒業生の祖父母や母もセンバツ出場を喜んでいるといい、「テレビで見ていた甲子園に友達が出るなんて信じられない」と話す。「けがをしないように、全力で楽しんで頑張ってほしい」と応援している。 陸上部はグラウンドの一部を使って基礎練習に取り組んでいる。できることは限られるが、男子主将の平川璃空さん(同)は「コーナーを曲がって走る練習などは、週1回の競技場練習でやって、学校では自分の体をしっかりコントロールできるように、体力や体幹を鍛えている」と工夫している。女子主将の関口実花さん(同)は「野球部の方から声が聞こえると、私たちも頑張ろうと刺激をもらえる」と話す。 平川さんは現在、横松主将と同じクラスで席も近いという。「主将として他の選手以上に緊張するかもしれないが、夢の甲子園で楽しんでプレーしてほしい」とエールを送る。関口さんは「野球部は、朝はどの部活よりも早く、夜も一番遅くまで練習をしている。昼休みや部活が休みの日も頑張っている選手を見かける。甲子園ではその実力を思い切り発揮してほしい」と話した。