移籍説が流れるも「最終的に決めるのはレッドブル」と角田裕毅。夏休みまでの2戦に集中すると冷静な姿勢/F1ハンガリーGP
2024年F1第13戦ハンガリーGP開幕前日、RBの角田裕毅の囲み取材には、大勢のメディアが集結していた。不調のセルジオ・ペレスに代わって、角田がレッドブルに移籍するのではないかという噂が流れたからだ。今回は日本人記者ではなく、海外のメディアと英語で行われた約10分間の囲み会見での角田の主な発言をまとめてみた。 【写真】2024年F1第13戦ハンガリーGP 角田裕毅&ローレン・メキース代表(RB) ──────────────────────────────── ──今週末、中団グループの先頭に戻れると思いますか? 角田裕毅(以下、角田):最近の3連戦で、新旧のエアロパッケージでどの組み合わせが好ましいかがわかりました。前回のレースで使っていたものと比較すれば、その結論にはかなり満足しています。実際のところ、(アップグレードは)失敗とまでは言わないまでも、方向性を見誤っていたようです。でも、その結果、今後の開発にとって重要なことがたくさんわかりました。だから、もう大丈夫だと思います。 ──ハースからのプレッシャーは? 彼らはシルバーストーンでのアップデートが功を奏したと思いますか? 角田:間違いなく。ハースはあういうエアロ効率のいい高速コースでは本当に速いです。だから彼らはこの2戦、好調でした。もしここでもいいパフォーマンスを見せれば、彼らは僕たちにとって非常に強力なライバルになるでしょう。すでに強力なライバルになっていますけどね。できれば4ポイント差を広げるために、ここで少しでも多くのポイントを獲得する必要があります。そしてこのコースは、他のコースよりも僕たちに合っています。過去3戦は高速コーナーで苦戦しましたからね。 ──レッドブルのマシンに乗る準備はできていますか? 角田:過去3年間と比べて、準備はできていると感じています。トップチームと戦う準備はできているし、マックス(・フェルスタッペン)とはもちろん、ほかのトップドライバーともポジションを争う準備はできています。でも、最終的に決めるのは僕ではなく、レッドブル。僕がコントロールできることではないから、僕は夏休みまでの2レースでやるべきことに集中しています。僕はいまRBにいて、ハースとコンストラクターズ選手権6位を賭けて戦っていますからね。 ──あなたは本当にそのシートにふさわしいドライバーだと思いますか? 角田:もちろんです。そうでなければ、(レッドブル・ファミリーが)今年の序盤に僕と来年もレースをするという発表することはなかったでしょう。 ──つまり、マックスのチームメイトになる資格はあると考えている? 角田:イエス。 ──ここ数週間、その状況についてクリスチャン・ホーナー代表やヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)と何か話をしましたか? 角田:明確にはありません。日常会話程度です。 ──あなたが彼らに電話しているのですか、それとも彼らがあなたに電話しているのですか? 角田:ホスピタリティハウスで気軽なおしゃべりをした程度です。セルジオ・ペレス(の契約)が発表されたのはモナコGPの後だったかな。セルジオはとてもいいパフォーマンスを見せていたし、ドライバーがいいパフォーマンスを見せているのなら、ドライバーを変える理由はないです。彼らがやっていることはセルジオにとって常にいいことだと思うし、プレッシャーを与えたくなかったのだから、それは間違いなくフェアなことだと思います。 ──状況を考えると、次の2レースが特に重要? 角田:噂が本当ならそうだけど、正直なところ、僕は正確な状況を知りません。あなたたちよりも情報は少ないでしょう。どのレースも僕にとってはとても重要です。契約があってもなくても。それはいまに限らず、いつもです。 ──その噂のせいで、この数レースで結果を出さなければならないというプレッシャーを感じていますか? 角田:いまのところプレッシャーは感じていません。これまでには、今よりもっとひどいプレッシャーがあったときもありましたから。おそらく今は、ここ数年に比べればむしろいいプレッシャーです。 ──レッドブルが経験の浅いリアム・ローソンを起用するとしたら、どう思いますか? 角田:もし彼らがリアムを選んだら、それはちょっと奇妙だと思います。少なくとも僕はそう考えています。確かにリアムはシム(シミュレーター)で走ったとき、本当にいい仕事をしていたけど、僕はそれ以上のことをしたと思うからです。レッドブルはドライバーを管理する方法を知っているから、最終的には彼らが決めることです。 ──RBがあなたを引き留めるために戦うとは思わないのですか? あなたはRBに重要なポイントをもたらしているのだから、あなたがRBに残ることは彼らにとっても最善の策なのではないですか? 角田:まあ、そう思ってくれているとしたら、それは僕にとって悪い話ではないですね。シーズン後半戦は中団グループのトップでスタートしたい。そのためには100%のパフォーマンスを発揮しなければなりません。それがプロとしての僕の仕事。だから、できる限りのことをするつもりです。 [オートスポーツweb 2024年07月19日]