桂小文枝がチャリティー落語会を2025年に55か所で開催することを発表
きん枝改メ四代桂小文枝(73)が、地震と洪水に傷んだ能登半島地域への支援に、昨年迎えた芸歴55周年にちなんだ記念大作戦「YOUNG GO! GO!~落語家人生山あり谷あり谷あり~」と題して来年55か所でチャリティー落語会を開催することを発表した。
先代文枝(2005年、74歳で死去)の二番弟子として入門。大ヒットテレビ番組「ヤングおー!おー!」でおとうと弟子の桂文珍らとともに「ザ・パンダ」として人気者に。しかし私生活では無免許運転逮捕や未成年女子との交際で書類送検され謹慎休業や、参院選出馬(落選)などお騒がせ続き。兄弟子で上方落語協会長の六代文枝の肝いりで、17年秋に師匠が長く名乗っていた小文枝を襲名。きん太郎はじめ3人の弟子を抱え後進の指導に当たっている。
チャリティー落語会は、30~100人規模の観客が集まれば全国どこへでも出向く計画で、事務局を務める一番弟子のきん太郎によると「屋内で高座がしつらえられるなら公民館や学校でもOK。入場料は1人3000円を想定。毎回師匠のギャラ分10万円はチャリティー募金としてプールして行きたい」と話し、既に関西の何カ所かから「問い合わせが来ている」という。小文枝は「タイトルで〝谷あり〟が2回重なっているのは僕の波瀾万丈の芸歴から。師匠も吉本(興業)もクビにせんとよぅ許してくれたもんや。チャリティーでは僕は1銭も頂かずやらせてもらいます」と神妙。
既に知人を介し何度か能登半島の被災地をボランティアとして慰問している。「関西にいると気付きませんが、地震より豪雨水害の方が生活被害が大きいケースも。あちらはこれから本格的な雪の季節となり生活維持は本当に大変」と表情を曇らせた。
また会場では襲名時に作成した名跡入り洋タオルを3000円で販売予定。「公共交通機関やマイクロバスで移動し、できるだけ経費を抑えますが足らない場合もある。その際の穴埋めに」とケチケチ大作戦。 それでも公演は「私と3人の弟子の誰かが一緒に行くだけでなく、趣旨に賛同してくれる噺家さんを毎回ゲストで入れたい。首長さんやスポンサーさんに上がって頂いて地元の魅力を語って頂く対談も可能。何より上方落語の面白さが全国各地の方々に直接伝えられれば」と意欲をみせた。 (畑山 博史)