【年金振込通知書の真実】なぜ「厚生年金と国民年金」の額面と手取り額がこんなにも違うのか
「年金振込通知書」で確認すべき事項
年金の天引き事情は「年金振込通知書」を確認すると、差し引き状況が分かるようになっています。 年金振込通知書の確認すべき項目は下記のとおりです。 ・年金支払額(天引き前の額面の金額) ・介護保険料額 ・後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)※ ・所得税額および復興特別所得税額 ・個人住民税額 ・控除後振込額(天引き後の手取り額) ※天引き対象でない場合は記載されていません 「年金支払額」は天引き前の額面の金額であり、年金は2ヶ月分まとめて支給となるため、2ヶ月分の合計金額が記載されています。 一方で「控除後振込額」は、天引き後の手取り額の金額であり、介護保険料や個人住民税といった社会保険料・税金が差し引かれた状態の金額が記載されています。 基本的には、額面の金額よりも実際に振り込まれる手取り額のほうが少ないケースがほとんどです。 手取り額をみてガッカリしないように、事前に「年金振込通知書」で天引き内容を確認しておけると良いでしょう。 では実際、年金からどのくらいの税金や社会保険料が天引きされるのでしょうか。 次章にて、具体的な金額を紹介していきます。
年金から天引きされる税金・社会保険料はどのくらい?
最後に、年金から天引きされる税金・社会保険料の金額を見ていきましょう。 天引きされる金額は、各世帯によって個人差がありますが、参考までに総務省の「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身・夫婦のみの無職世帯の家計収支は下記のようになっています。 【写真全3枚中2枚目】65歳以上「単身無職世帯」の家計収入 出所:総務省「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」 ●【65歳以上の単身無職世帯の家計収入】 ・可処分所得(手取り収入):11万4663円 ・消費支出:14万5430円 ・不足分:3万768円 ●【65歳以上の夫婦のみ無職世帯の家計収入】 ・可処分所得(手取り収入):21万3042円 ・消費支出:25万959円 ・不足分:3万7916円 単身世帯・夫婦のみの世帯ともに、天引き額は収入の10%~15%ほどとなっています。 上記の家計収支を参考に、老後生活で「実際に使える金額」と「生活費」をシミュレーションし、不足分はどのくらいになるかを考えておけると良いでしょう。