20年物のエアコンを使う親に、10万円の最新式の省エネエアコンをプレゼントすると贈与になりますか?
「年金が少ない」と日々節約しているAさんの両親は、20年物のエアコンを使っています。エアコンを最新式にすれば電気代が抑えられると思い、プレゼントしようと計画中のAさん。エアコンは10万円ほどだそうですが、「贈与にならないなら冷蔵庫などの家電も買い替えてあげたいが、いくらまでなら贈与にならないのか知りたい」とのご相談です。 ▼子ども名義の口座に「月3万円」ずつ入金してるけど、将来口座を渡すときに「贈与税」はかかるの? 非課税にすることは可能?
贈与と贈与税
そもそも贈与とは、どのようなことをいうのでしょうか。少し難しい話になりますが、民法では、「贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」としています。 つまり、Aさんが自分のお財布からエアコンを買ってプレゼントするとご両親に言い、ご両親が承諾すればエアコンのプレゼントは贈与となるわけです。贈与を受けた人には贈与税が課税されますが、すべての贈与が課税の対象になるわけではありません。 Aさんは、エアコンをプレゼントすることで贈与税を払ったり、税務署に申告したりする必要がないか、またどの程度の贈与なら贈与税がかからないかを確認したいとのことです。 贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間に贈与された財産の合計額で課税されるかどうかを判断します。基礎控除が110万円あるので、1年間の合計が110万円以下であれば、申告・納税の必要はありません。 気を付けておきたいのは、贈与税は贈与を受けた人に課される税金なので、基礎控除額は贈与を受けた人ごとに110万円となることです。1年間に複数の人から贈与を受けた場合も、その贈与を受けた合計額から控除できる基礎控除額は贈与者の人数にかかわらず110万円です。 図表1
例えば、図表1の例1でYがXから1年間に100万円の贈与を受けても、Yが同じ年にほかの贈与を受けていなければ贈与税はかかりません。また、例2ではXは合計200万円を贈与していますが、贈与を受けたYとZが同じ年にほかに贈与を受けていなければ、それぞれ110万円の基礎控除額を超えていないので、贈与税はかかりません。 図表2