チーム2点目を奪った帝京長岡高FW安野匠(3年)(Akihiko KAWABATA)

[7.30 総体3回戦 東海大相模高 0-4 帝京長岡高 Jヴィレッジ] 　令和6年度全国高校総体(インターハイ)男子サッカー競技の3回戦が30日に開催され、帝京長岡高(新潟)が東海大相模高(神奈川2)に4-0の大勝を収めた。勝った帝京長岡は、31日の準々決勝で青森山田高(青森)と戦う。 【写真】影山優佳さんが“人気女優”と代表戦を現地観戦「可愛すぎる」「勝利の女神が2人」 　前半4分、中盤の攻防、静から動へと鋭く流れた展開がゲームを大きく左右することになった。 　センターサークル付近での競り合いが続く流れで、いったん東海大相模がボールを奪い返しかけたところだった。帝京長岡FW安野匠(3年)が足裏を使ってスルリとボールを引き寄せながらターンし、絶妙のタイミングで斜め前のスペースへとパスを通す。これを判断良く走り込んでいたDF遠藤琉晟(3年)が受けると、そのまま右足シュート。これがゴールネットを揺らし、帝京長岡が先行する展開となった。 「遠藤がよく頑張って走ってくれていた。ファーストチャンスをモノにできたのは大きかった」と帝京長岡・古沢徹監督が振り返るとおり、このゴールで試合の天秤は帝京長岡へ傾く。 　そして19分には、東海大相模・有馬信二監督が「痛かった」と嘆くことになる追加点。「狙っていた形」(古沢監督)というボール奪取からのショートカウンターで、最後はMF和食陽向(1年)のパスから裏を取った安野が右足シュートを流し込み、貴重な2点目を奪い取る。さらに前半アディショナルタイムには、MF水川昌志(3年)の目の覚めるようなミドルシュートも決まり、3-0とリードは広がった。 　東海大相模の前半のシュート数は0本。ボールを保持する時間帯はあったため、そこまで一方的な展開には感じられなかったものの、「完全に相手のレベルが一つ上だなと感じさせられた」とMF長井隆之介主将(3年)は振り返る。後半に入っても、サイドまではボールを運べるものの、そこから先を打開させてもらえず、ゴールチャンスは限定されていた。「最後のところは課題だった」と有馬監督が言うように、帝京長岡を脅かすには至らなかった。 　一方、後半8分には安野の左サイド突破からのクロスにFW柳田夢輝(3年)がニアで合わせて、4-0。その後はあえてミドルブロックを作って守るやり方にシフトチェンジした帝京長岡が、エネルギーも節約しながら試合を運んで完勝。「絶対にやりたいと思っていた」と古沢監督も闘志を燃やす青森山田との準々決勝へ駒を進めた。 (取材・文　川端暁彦)