東京五輪へ森保ジャパンが秘密兵器を続々招集
2020年の東京五輪世代となるU-21日本代表が臨む、南米パラグアイ遠征へ向けた招集メンバー23人が13日、日本サッカー協会から発表された。19日に日本を出発し、現地時間21日にU-21チリ代表、23日にU-21ベネズエラ代表、25日にU-21パラグアイ代表と対戦する。 サンフレッチェ広島を3度のJ1優勝に導いた森保一監督(49)が、東京五輪に臨む男子代表監督に就任したのが昨年10月。今回の遠征は森保ジャパンとして、昨年12月のM-150カップ2017(タイ)、今年1月のAFC・U-23アジア選手権(中国)に続く3度目の活動となる。 東京五輪の男子サッカー競技の出場資格は、1997年1月1日以降に生まれた選手となる。そのなかで今遠征は1997年と1998年生まれの選手で編成したため、16歳のMF久保建英(FC東京)や17歳のDF菅原由勢(名古屋グランパスU-18)ら、J1でプレーしている高校生は対象外となった。 東京・文京区のJFAハウス内で記者会見した森保監督は、膨大な数に達する分母のなかから選んだ23人であることを強調した。 「視察の段階では、U-21日本代表に入れる(資格をもつ)、できるだけ多くの選手を見てきました」 アジア予選が免除される開催国だからこそ、たっぷりと時間をかけて、ベースとなるラージグループを作ることができる。潜在能力のある若手選手が埋もれて終わることのないように、コーチングスタッフが総出となって全国を飛び回り、指導者たちと密に連絡を取り合ってきた。 積み重ねられてきた努力の成果と言える一人が、昨年の後半から急成長を遂げて、初めて森保ジャパンに抜擢されたアピアタウィア久(流通経済大学1年)となる。 ガーナ人の父と日本人の母との間に、1998年10月18日に生まれたアピアタウィアの最大のストロングポイントは190センチ、72キロの恵まれたボディだ。愛知FC・U-15から東邦高校へ進み、フォワードからディフェンダーに転向した3年次から頭角を現しはじめた。 流通経済大学では昨年末のインカレでメンバー入りを果たし、福岡大学との準々決勝で右サイドバック、途中出場した東京国際大学との準決勝ではセンターバック、法政大学との決勝では再び右サイドバックでプレー。高さと強さ、そして複数のポジションでプレーできるユーティリティーぶりをチームにもたらし、3年ぶり2度目の大学日本一獲得に貢献した。 インカレの試合だけでなく、流通経済大学の練習も視察したという森保監督は、年代別の日本代表に招集された経験のないアピアタウィアへ大きな期待を寄せた。 「インカレでは右サイドバックで出場していましたけど、視察の段階ではセンターバックとしてプレーをしているのを見ていますので。センターバックだけでなく、サイドのウイングバックのポジションでも、守備的な起用ができるかなと思っています。彼がもっている身体能力の高さ、(球際における)当たりの強さや厳しさから攻撃にも転じていけるところを、我々のチームでも見せてもらいたいというか、生かしていきたいと考えています」