自治体の「婚活」支援 どれくらい効果はあるの?
自治体の結婚支援事業に対し、政府が2013年度の補正予算で総額30億円の助成金を出すことになり、沖縄県を除く46都道府県の自治体から申請が殺到しているとの報道がありました。ただ、婚活パーティーのように飲食を伴う事業は補助の対象外で、講演会やキャンペーンが目立ちます。「そんなものに30億円も使うの?」「いかにも役人が考えそうなこと。ピント外れ」といった声が出ています。「官製婚活」で未来は切り開けるのでしょうか。 【図表】自治体の半数は本当に消えてしまうのか?
「飲食」伴う合コン形式はなし
この事業は内閣府の所管で、「地域少子化対策強化交付金」と言います。文字通り少子化対策に主眼が置かれており、その入り口としての「結婚」も支援しようというわけです。 このお金で自治体はどんな事業を行うのでしょうか。子育てに関する事業も含まれており、すべてが婚活関連ではないのですが、公表資料から婚活関連を拾ってみると─。 富山県や鳥取県などは「結婚などに携わる関係者と一般県民によるフォーラムなどの開催」。県民運動、少子化危機突破宣言の採択、結婚や家族のすばらしさを考える講演なども計画中です。三重県は「未来志向で少子化対策のためのアイデアを考える交流の機会」を設けるとしました。 山口県は「結婚のすばらしさを考えるフォーラム」を開催し、高知県などは「独身者向けセミナー」を行うそうです。香川県は毎月「0」のつく日を「ラブの日」などとして「結婚ポジティブキャンペーン」を繰り広げるほか、恋愛に関心を示さない高校生・大学生を対象に結婚の良さを伝える講義を予定。さらに親世代を対象にしたシンポジウムも行い、親向けの「結婚応援冊子」を作るそうです。
自治体の知恵比べの感も呈していますが、最も効果的に思える「婚活パーティー」「合コン」は登場しません。大手紙の報道によると、合コンへの助成も構想していた内閣府に対し、自民党が「税金での飲食は国民の理解が得られない」と難色を示し、見送りになったようです。 助成金は、都道府県4000万円、政令指定都市2000万円。市町村は800万円に上ります。仮に市町村が全額を「合コン」に利用できたら、1人4000円の予算でも男女100人ずつが参加する合コンを年10回開催できる計算でした。