【独自】リンちゃん殺害事件から7年 母親が初めて語る残された家族のその後「弟は夕方になると玄関で姉の帰りを待っていた」
千葉県で小学3年生だったベトナム国籍のリンちゃんが通学途中で保護者会会長の男に殺害されてから7年。母親のグェンさんが初めて単独取材に応じ、残された弟の様子や現在の生活を語りました。 【画像】「木漏れ日が差し込む素敵な客間!」ベトナムと日本のテイストを合わせた旅館にしたいと、福島県二本松市で温泉旅館の営業に向けた準備を進めるリンちゃんの母親のグェンさん(全11枚)
■弟の夢は「警察官」残された家族は 「とても仲がいいきょうだいでした。当時3歳だった息子は、なぜリンちゃんがいなくなってしまったのかよくわかっていませんでした。息子は、いつもリンちゃんが学校から帰ってくる夕方になると玄関で待っているんです。リンちゃんの写真を抱えながら、私に『お姉ちゃん、なかなか帰ってこないね』と。声をかけられるのがつらかったです。
街でリンちゃんと同じくらいの子が歩いているのを見かけると『あれ、お姉ちゃんじゃない?』と言い出すこともありました。リンちゃんのことがあったので、人を守れる人になりたいからと、小さい頃は『将来は警察官になりたい』とも言っていました」 リンちゃんの弟の当時の様子を涙ながらに語ってくれたのは、母親のグェンさん。今から7年前の3月、千葉県松戸市の小学校に登校途中だった娘のリンちゃん(当時9歳)を亡くしました。リンちゃんを殺害したのは、通っていた小学校の保護者会会長の男でした。
日本は安全な国だと信じていた──。グェンさんは娘を失ったショックから、事件後しばらくの間、ベトナムに帰っていたといいます。 「毎日、悲しみに打ちひしがれていました。息子のことも心配だったので、しばらく私と息子はベトナムの実家に戻って生活していました。でも、事件への対応や日本での夫の仕事のこともありましたし、子どもたちが生まれ育った幸せな思い出がたくさんある日本でまた頑張ろうという気持ちで、半年ほど経ってから日本に戻りました」
リンちゃんの家族は、千葉県松戸市でベトナム料理のレストランと食材店を開きます。店のオープンは、亡くなったリンちゃんの夢を叶えるためでもありました。 「リンちゃんは日本が大好きで、将来は日本人の友達をベトナムに連れて行って、ベトナム料理を紹介して食べさせてあげたいと言っていました。それに、ベトナムにいる親戚にも、日本の料理や景色を紹介したいといつも話していました。リンちゃんの夢を叶えたいという気持ちから、親としてできることをしようと思っていました」