営業損失約58億円! 脱毛、ネイル…事業急拡大の「チョコザップ」会員100万人超えの課題と今後
「あえて“ガチ“な方には少し物足りないトレーニング設備に…」
適度な運動習慣が大切だということは、誰でも知っているが、ジムに通うのは何かと面倒くさい。 【かっこいい!】綾瀬はるか 仕事の合間にジムで汗を流し、南青山でショッピング そうした日頃運動習慣がない人や、ジムが苦手な人にこそ向いていると言われるのが、RIZAPが運営する初心者向けコンビニジム「chocoZAP(チョコザップ)」だ。 月額3000円程度で24時間365日全店使い放題、着替えや靴の履き替えも不要なため、自分などは買い物帰りや取材・打ち合わせ帰りにそのままの服・靴で15分~20分だけ運動するという取り入れ方をしている。コロナ禍の真っただ中、家でトランポリンだけしていた自分にとっては、大きな前進だ。 そんな中、気になるのは、’24年3月期第2四半期決算発表の中で明かされた「会員100万人超え」「店舗数1160店(11月14日時点)、40都道府県出店」という景気の良い話と、逆に急拡大による営業損失57億9100万円(前年同期は2億3000万円の黒字)という赤字の話。 便利に使っているからこそ、急速に拡大して急速にしぼんでしまわないかが心配である。実際、どうなのか。RIZAPグループに取材依頼をすると、「chocoZAP 」事業責任者を務める村橋和樹氏が対応してくれた。 ◆最初の店舗は、今とは全く別モノだった chocoZAPが「発明」だと思うのは、ジムに付き物の煩わしさ――着替えや靴、シャワー、人とのやり取りを一切排除したこと。運動も、人とつるむのも好きじゃない、陰キャ的思考を熟知したサービスに思えるが、どこから生まれた発想なのか。最初にそんな質問を投げると、村橋氏はこう語った。 「実はもともとchocoZAPという名前ではなく、別の屋号でいくつか展開していました。料金体系しかり、マシンしかり、どんな比率であればお客様が喜んでくれるのかなど、私達もわからなかったというのが正直なところで。 30坪という限られた区間をどう活用したらお客様が一番喜んでくださるのか、いろんなパターンの店舗を作ってテストしながら進めている流れが、2年前のスタートから今に至るまで続いています」 そもそもchocoZAPの最初の店舗は、今とは全く別モノだったと笑う。 「もともとRIZAPでは10年間、筋トレを中心とした運動と正しい栄養をとることで痩せるというメソッドでやってきましたので、chocoZAPの最初の店舗でもそれが良いはずだと思い、トレッドミルやエアロバイクは2台程度で、筋トレ系のマシンをズラリと並べていました。 でも、トレッドミルやエアロバイクにはすごく並ぶのに、他のマシンはスカスカで。それを見た時に、お客様の求めているものはこれじゃないんだと感じ、次はちょっと違う形にしてみようと。 30坪の中にマシンが多い方がいいのか、美容系が多い方がいいのか、あるいは新サービスが喜ばれるのかなど、お客様の利用率などを見ながら調整していく形です」