営業損失約58億円! 脱毛、ネイル…事業急拡大の「チョコザップ」会員100万人超えの課題と今後
実際、進める中で、初心者が何に喜ぶのかとともに、何に苦労するのかも見えてきたという。予想を裏切られた発見の一例が、1つのマシンで胸と肩など、様々な部位のトレーニングができる「マルチマシン」だ。 「1つのマシンで様々なトレーニングができる方が喜ばれると思って『マルチマシン』を導入したんです。でも、初心者の方には、パッと見たときにそれがどう使えるかがわからないんですよね。 結局、胸なら胸、肩なら肩と、1つずつセパレートになっていて、ピンを差すだけで重さを決められ、一方向しか動かないようなわかりやすいマシンの方が喜ばれることに気づいたのが、一つの発見でした」 ◆「自分の使い方が間違っていると笑われそうで嫌」「ウッとかいう声を出してるのが怖い」 Webも含め、膨大な数のお客様インタビューもしてきた中、トライアンドエラーを繰り返しつつ、常に大切にしてきたのは「ジムに初めて来た人や、そもそもジムに関心がないという人たちの声」だという。 「そもそもジムと聞くだけで、自分に関係のないものと思う方は多いので、ジムという名称は極力使わないようにしました。 また、ガチな人がいると『自分の使い方が間違っていると笑われそうで嫌』『ウッとかいう声を出してるのが怖い』といった声が多いので、そうしたガチな方には少し物足りないくらいのトレーニング設備にし、逆に初心者の方に選んでいただけるようなサービスとなれるよう進めてきました。 普通のジムは滞在時間が1~2時間程度で、ロッカーなどがたまり場になっていて、ドンみたいな人がいるのが嫌だというご意見も多いです。でも、今のchocoZAPでは基本的にロッカーで座ってという概念がありません。荷物を置いたらすぐトレーニングする形なのが心地良いという声は多くの方からいただいています」 実はアメリカではフィットネス人口が約20%であるのに対し、日本のフィットネス人口は約3%。これまではその小さなパイを同業他社で奪い合ってきたのだという。 「実際、初心者をあまり意識せずに出した最初の店舗では、男性の比率が圧倒的に高い状況でした。他社の24時間ジムに8000円で行っている人が、3000円で行けるなら安いということで、3%の取り合いに過ぎなかったんですね。 その3%の方の声を聞くと、例えば『ダンベルが欲しい』とかいう方向になりますが、そうではない人、ジムに興味はあるけど来たことがないという方、興味がそもそもない方に一歩踏み出していただかないと、20%は目指せない。それがchocoZAPという事業の目的であり、ゴールです」