まさにドラマチック! 奈良記念の“劇的兄弟ワンツー”に「惜しみない拍手贈りたい」/奈良競輪G3・決勝回顧
現役時代はKEIRINグランプリを3度制覇、トップ選手として名を馳せ、現在は評論家として活躍する競輪界のレジェンド・山田裕仁さんが奈良競輪場で開催された「能登半島支援春日賞争覇戦」を振り返ります。 ■2024年2月25日(日)奈良12R 開設73周年記念 春日賞争覇戦(GIII・最終日)S級決勝 ※左から車番、選手名、期別、府県、年齢 ①三谷竜生(101期=奈良・36歳) ②守澤太志(96期=秋田・38歳) ③古性優作(100期=大阪・33歳) ④菅田壱道(91期=宮城・37歳) ⑤脇本雄太(94期=福井・34歳) ⑥松岡健介(87期=兵庫・45歳) ⑦南修二(88期=大阪・42歳) ⑧三谷将太(92期=奈良・38歳) ⑨東口善朋(85期=和歌山・44歳) 【初手・並び】 ←③⑦⑥(近畿)①⑧(近畿)④②(北日本)⑤⑨(近畿) 【結果】 1着 ①三谷竜生 2着 ⑧三谷将太 3着 ④菅田壱道
近畿勢7名が3つのラインに分かれて火花を散らす
2月25日には奈良競輪場で、春日賞争覇戦(GIII)の決勝戦が行われています。S級S班からは、近畿地区の看板を背負う存在である脇本雄太選手(94期=福井・34歳)と古性優作選手(100期=大阪・33歳)、そして北日本の新山響平選手(107期=青森・30歳)が出場しています。記念らしく、近畿勢の層の厚さはかなりのもの。他地区の選手は、初日から厳しい戦いを強いられたことでしょう。 初日特選からして、過半数である5名が近畿勢。脇本選手と古性選手は別線を選択して、初日から激しくぶつかり合いました。このレースは、後方から捲る得意のスタイルで脇本選手が快勝。自転車競技で250mバンクを走り慣れているのもあるのでしょうが、カントがきつい奈良の333mバンクでみせた脇本選手のスピードは、本当に素晴らしかった。それに、デキもかなり戻してきていましたね。 脇本選手は続く二次予選も、後方7番手から捲って圧勝。ここでマークした9秒1という上がりの速さは強烈で、復調が改めて感じられました。準決勝では打鐘前からの仕掛けで主導権を奪い、そのまま押し切って1着。無傷の3連勝で、完全優勝に王手をかけました。古性選手も、二次予選と準決勝ともに1着で勝ち上がり。しかし、新山選手は準決勝で近畿4車の結束によって勝ち上がりを阻まれ、7着に敗退しています。