39歳独身漫画家が「ふっきれた60代」を目指して婚活!43歳で母になった理由
「30代のうちにやっておくべきこと」
今年50歳になるイラストレーターのたかぎなおこさんは、40歳を目前にして、「30代のうちにやっておくべきことはなかったか」と焦るような気持ちになっていた。 【漫画を読む】ネガティブな未来を妄想し、自らを婚活に駆り立てようとしてみたものの 仕事は楽しく、私生活も友人たちとマラソンにチャレンジしたりと、それなりに充実した30代だった。気ままなひとり暮らしもらくちんで、平和で、不満もない。 だが、「昔から期限をせまられると、慌てだすタイプ」で、今がいいからとこの先ずっとこのままでいいかと問われれば……。 たかぎさんには、くせというか、特技があり、なんとなく行動力がつかないときに自分を奮い立たせる方法として、自分の未来図を想像してみるのだという。 未来のたかぎさんは、愛猫(今はいないが、飼ったと想像している)とともに平和な毎日を送るも、「ひとり暮らしはすこしさみしい」と思っていた(たかぎさんの頭の中では)。 けれども、そのさみしさは「わざと」なのである。 今の気ままなひとり生活を気に入っており、さみしさを感じる余裕がなかったとしても、ネガティブ妄想を「わざと」ふくらませてみる。そして「〇〇しなかったことに悔いが残っている自分」「若い時にもっとがんばっていたら、違う人生があったかも」と、煮え切らずにじめじめしている自分を思い描き、行動力に変換する。 これがたかぎさんの、特技なのだ。
ネガティブ妄想パワーを行動に変換させると
そんなたかぎさんの39歳から43歳までのリアルな4年間を描いたのが、本書『お互い40代婚』(たかぎなおこ著 / KADOKAWA)である。 この4年はたかぎさんにとって激動の、本人も「すごく変わったなあ」と書いている、チェンジの連続だった。婚活を考え、出会いがあって紆余曲折を経て、結婚し、そして母になったのである。
やらなかった後悔を味わいたくない
ここだけ見ると、結婚を考え始めてからたった4年で子どもを持つなど、幸運と強運に恵まれた、超勝ち組の自慢話に聞こえるかもしれない。 だが、漫画を読めば、その道のりが決して平たんなものではなかったことに気づくはず。 たかぎさんは、考えては行動し、行動しては反省し、迷いに迷って、時には感情のままに突っ走ってしまったことを後悔しながら、自分の人生をつかみとった。 成功の秘訣はどこにあるのかと考える前に、たかぎさんにとっての成功とはなんだったのかを見直したい。 漫画の中に、「自分なりに行動してみたけど、結局ひとりぐらしってことになったとしても、それならそれですっきりしていいじゃん!!」という言葉があった。 これは、たかぎさんにとってのゴールが、「結婚」ではないことを物語っている。 たかぎさんは「結婚を考えることなく、なんとなく迎えた60代」よりも、「婚活はがんばってみたけど、ひとり暮らしとなった60代」を迎えたいと考えている。 つまり、たかぎさんは今を全力で生きたという、自分に言い訳をしない人生を求めていたのだ。だから結婚した、しないは、実はどちらでもよく、たかぎさんにとっての成功とは、「やらなかった後悔を味わわずに済んだ」ことなのである。 と、勝手にたかぎさんの目指したところを決めつけてしまったが、実際のところ、どうだったのだろうか。 ◇40歳まであと1年と、さんざんモヤって、婚活について検索しまくり、電車の中の赤の他人を勝手に頭の中で品定めまでしたのに、結局婚活には踏み出せなかったたかぎさん。ならば、どうやって結婚相手と出逢うのか。 意外な「出会い」については、第2話「冷蔵庫なしのオフィスに冷凍のカニが!オロオロする40代女子を救った“親切でいい人”」でお伝えする。
たかぎ なおこ、FRaU マンガ部