中国国債リターン、10年ぶり高さに-追加緩和見通しで25年も堅調か
(ブルームバーグ): 中国国債の投資リターンが今年、10年ぶりの高さとなりそうだ。2025年も堅調なパフォーマンスになると、現地の運用担当者やストラテジストは見込んでいる。
ブルームバーグの指数によれば、中国国債の今年のトータルリターンは為替変動を除いてプラス9%と、14年以来の高さとなる方向。1月以降、84ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下した10年債利回りは26日に1.71%を付けた。
長引く景気停滞や個人消費の伸び悩みを受け、追加金融緩和観測が広がり、今年の中国債は世界の主要国でも値上がりが目立った。天風証券や浙商証券、スタンダードチャータード銀行は10年債利回りが25年末までに1.5-1.6%まで低下すると予想している。
博時基金管理の債券投資ディレクター、張李陵氏は「来年の中国経済を巡る不確実性は強く、貿易対立の動向やドル高に大きく左右される」と話す。
今週は国債発行の急拡大を巡る懸念から債券高がやや勢いを失った。ロイター通信によれば、中国当局は25年に過去最大となる3兆元相当の特別国債を発行する計画。さらに、財政省は財政赤字の対国内総生産(GDP)比を拡大し、政府支出を増やすという方針を改めて確認した。
だが、過去を振り返ると、中国債券市場はこうした供給増を吸収できるとみられる。中国人民銀行(中央銀行)が緩和スタンスを維持し、景気が停滞したままであればなおさらだ。
富国基金管理で745億元の運用に携わる朱征星氏は、利下げ見通しから「われわれは来年の債券についてなお前向きだ」と語る。
博時基金の張氏は利回りの低下にもかかわらず、中国債は引き続き安全資産としての価値を提供していると指摘。「デフレのような環境下で確実に損をしない資産はほとんどない」と述べた。
原題:Chinese Bonds Post Best Returns in Decade With More Gains Seen(抜粋)
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