大谷踏切が28日開通 津市長会見、安心安全な通行確保 三重
【津】三重県の津市の前葉泰幸市長は9日の定例記者会見で、拡幅工事などを実施していた大谷踏切(同市上浜町)について、工事が完了し28日午前9時から供用開始すると発表した。令和2年11月に通行止めとなって以降、4年2カ月ぶりの開通。車道が2車線となるほか、歩行者と自転車専用道も整備され、長年市民を悩ませてきた踏切で安全安心な通行が確保されることになった。
大谷踏切は津駅北側に位置し、JR・伊勢鉄道を横断する踏切。幅員約2・5メートルで、これまで乗用車1台分しか通行できず、相互通行する乗用車と自転車、歩行者が錯綜(さくそう)し安全面で懸念があった。駅周辺で鉄道を挟んで東西を結ぶ数少ない路線でもあり、通行量が多く慢性的な渋滞も問題となっていた。 市では26年前の平成10年ごろから拡幅工事を検討していたが、JR側から踏切の拡張には他の踏切を廃止する必要があるとの条件を受け難航。27年にJR名松線上井生踏切(一志町井生)の廃止に地元同意が得られ、工事着手されることになった。
新たな踏切は幅員11メートルと大幅に拡張。対面通行できるように2車線の車道を確保し、安全面を考慮し歩道も分離した。踏切周辺も整備。隣接する近鉄架道橋下について、高さ2・5メートルと高さ制限で救急車が通行できなかったが、3・2メートルに広げて救急車やバスの通行を可能にした。
また、西側で合流する県道津関線との交差点に信号機を新設するなどし、安全対策などを行った。 工事は平成30年度に着手し、総事業費は34億3900万円(国補助は17億3200万円)。計画的な予算確保のために創設された国の踏切道改良計画事業補助制度に県内で初めて採択された事業となった。 前葉市長は「安全で安心なアクセス道路がようやく完成した。東西がつながることで、人・モノの流れが円滑になる効果に期待できる」と話した。