【100年に一人の逸材・棚橋弘至登場】『キン肉マン』大好き作家・燃え殻×爪切男の先月の肉トーク!! <番外編前編>【コミックス派はネタバレ要注意!】
棚橋 2006年に始まって5年間ぐらいブーイングされていました。なんでオレのよさがわからないんだろう、わかんないヤツはモグリだ、と思っていたんで、なんとか乗り越えられたんですけど。 燃 そこで「うっ...」てなったりしなかったんですか? 棚橋 最初はなったんですけど。一所懸命がんばって盛り上げていきたいのに、なんでブーイングなんだろう、と思って。長年音響をやっているスタッフに相談をしたら、「タナくんはアントニオ猪木だよ、そのままでいいよ。ブーイングもタナくんが勝ち取ったリアクションだから」と言ってくれて。「そうか、俺はアントニオ猪木だったのか」と、まんまと乗せられまして。 爪 そこで乗れるのもすごい。 棚橋 猪木さんの本名の猪木寛至と、僕の棚橋弘至、至の字が一緒じゃないですか。父が猪木さんのファンで、「至」を付けたみたいで。生まれながらにしてプロレスラーになることが決まっていたんだな、名付けって怖いなと思いました。 爪 ブーイングも自分が引き出していると思えたんですね。 棚橋 そうです。僕がブーイングをもらうってことは、対戦相手に声援が行くんですよ。相対的に見れば試合は盛り上がっているので、なら、いいのかなと。 *この記事の後編は、明日12月31日(火)17時に配信いたします。 ●棚橋弘至(TANAHASHI HIROSHI)1976年生まれ、岐阜県出身。99年新日本プロレス入門。2006年にIWGPヘビー級王座を初戴冠、今では定着した「愛してま~す!」もこのころに誕生した。00年代の「プロレス冬の時代」を支え、現在のブームを生み出した立役者。23年12月には新日本プロレスリング株式会社の代表取締役社長に就任した。26年1月4日での現役引退も発表している。新日本プロレスの年間最大ビッグマッチである1.4「WRESTLE KINGDOM 19 in東京ドーム」では、「棚橋弘至ファイナルロード・ ランバージャックデスマッチ」として、棚橋の引退会見にも乱入してきたEVILとの対決が決まっている ●燃え殻(MOEGARA)1973年生まれ、神奈川県出身。働きながら始めたツイッターでの発言に注目が集まり、作家デビュー。『ボクたちはみんな大人になれなかった』(新潮社)、『すべて忘れてしまうから』(扶桑社)、エッセイ集『それでも日々は続くから』(新潮社)『これはただの夏』(新潮社、8月28日に文庫版発売)、『ブルー ハワイ』(新潮社)など多数の著作がある。最新著は『明けないで夜』(マガジンハウス)。ドラマ『あなたに聴かせたい歌があるんだ』(漫画:おかざき真里/扶桑社)はHuluで配信中。出演中のラジオ番組 『BEFORE DAWN』(J-WAVE、毎週火曜26:00~27:00)もチェック ●爪切男(TSUMEKIRIO)1979年生まれ、香川県出身。2018年『死にたい夜にかぎって』(扶桑社)で小説家デビュー。2020年、同作が賀来賢人主演でドラマ化。『きょうも延長ナリ』(扶桑社)が発売中。集英社発のWebサイト『よみタイ』で好評を博した、美容と健康にまつわるエッセイ『午前三時の化粧水』が来春書籍化予定。ドライバーWebで『横顔を眺めながら ~爪 切男の助手席ドライブ漂流~』を連載中。主演:木村昴でのドラマ放送でも話題となった『クラスメイトの女子、全員好きでした』が文庫化 取材・文/兵庫慎司 撮影/榊 智朗 ©ゆでたまご/集英社