浜辺から薮の中まで網羅! 伊勢湾に浮かぶ「神島・菅島」船旅&プチ登山を堪能
美しい伊勢湾に浮かぶ離島を巡る島旅。【日本とは思えないカルストを望む! 伊勢湾に浮かぶ「神島・菅島」船旅&プチ登山】でご紹介した初日の神島に続いて、二日目は鳥羽寄りにある菅島を訪ねます。 【写真】菅島トレッキングと魚三昧のグルメをチェックする(全11枚)
旅の二日目も海の幸からスタート
まずは、お宿で朝ごはん。一日目の昼ごはんも夜ごはんもお魚三昧で美味しかったのですが、もちろん朝ごはんも海の幸! シンプルで王道な「ザ・日本の朝食」。ごはん、みそ汁、つくだ煮、漬物、海藻の酢の物、たまご焼き、しらす干しに海苔。驚いたのはみそ汁。 魚のあらのみそ汁なんですが、なんと、伊勢海老のしっぽが入ってました。あらと言っても、身がたくさん。いろんな魚が使われていて、旨味たっぷり、漁港ならではの贅沢なお味でした。朝から海の幸たっぷりで幸せな気分になりつつ、朝一番の定期船で菅島へ向かいます。 菅島漁港は島の北側にあり、答志島と向い合せな感じです。港から、島を周回するハイキング道へ。まずは東側にある灯台を目指して登っていきますが、その前に「しろんご浜」と呼ばれる砂浜へ寄り道。 毎年夏に行われる「しろんご祭り」の舞台となるところだそうで、島の海女たちが、神様に供えるためのつがいのアワビの初捕りを競うそうです。見てみたい……。 明治6年に建てられた菅島灯台は、レンガ造りの灯台としては日本で最古のもの。クラシックなたたずまいがとても素敵です。 島の最高峰は「大山」、標高237m。神島の灯明山と同じで、まったく眺望なし。登る人も少ないみたいで、踏み跡も薄く、道が藪に覆われかけていました。
ミステリアスな航空事故の跡を発見
歩いていると、ちょっとした広場のような場所があり、ふと見ると古びた看板がありました。1983年に、自衛隊の輸送機2機が相次いで墜落、乗員14名が殉職するという惨事が起きた場所だそうです。愛知県の小牧基地から、伊良湖岬を通り、埼玉県の入間基地を目指した6機編隊のうち、2機が墜落。当時現場は濃霧で、周辺はかなりの悪天だったため、民間機は運航を見合わせていたとか。 ここに来るまでこの事故のことは全く知らなかったのですが、痛ましい事故現場に特有の、何か静謐な感じの雰囲気の場所でした。大山からは、島の西側を回って元の菅島漁港へ向かいますが、鳥羽方面が見える場所まで来ると、大規模な採石場となっていました。なんだか衝撃的な景色ですが、緑化・復元に向けた協議会が発足していて、跡地活用のプランの検討なども行われているそうです。 ぐるっと島を一周して、伊勢湾側へ。静かでのどかな島にも、いろんな歴史があるのだなと思いながら港へ向かって下っていきます。港が見えてきた。定期船の時間まで、港の探索でもしましょうか。島国である日本には、魅力的な「しま山」がたくさん。山が好きなんですが、島旅も楽しいなぁと改めて感じた二日間でした。
根岸真理