「主役」は現れず ハリス氏母校での開票観戦イベント
米大統領選の開票が始まった5日夜から6日未明、民主党のハリス副大統領の陣営は首都ワシントンにある母校のハワード大学で観戦イベントを開いた。黒人大学の名門として知られるキャンパスには、学生を含む支持者たちが集まった。米国初の女性大統領の誕生に希望を託したが、かなわなかった。 【写真まとめ】ハリス氏とトランプ氏、最終日の集会 会場の大型スクリーンで開票状況の中継が始まると、速報に合わせて歓声とブーイングが交互に飛び交った。だが、次第に激戦州におけるハリス氏の劣勢が明らかになった。6日午前1時ごろ、陣営はハリス氏の会場での演説は見送りと発表。支持者たちは「主役」を見ることなく会場を後にした。共和党のトランプ前大統領はそれから約1時間半後に「勝利」宣言し、その後に当選確実となった。 トランプ氏の再登板へ向けて、不安の声が出ている。過去に医療上の理由で人工妊娠中絶を受けたという50代の女性は「(今後、同様の事例では)命を救うための処置を受けられなくなるかもしれない」と語り、女性の権利の後退を懸念した。ハワード大4年のクインシー・ベイカーさんは「次の4年間の政策の不確実性が高まるので少し怖い」と話した。 ハワード大は1867年創立の私立大学。アフリカ系米国人の教育水準向上を目的とした「歴史的黒人大学」の最高峰として知られる。西部カリフォルニア州出身のハリス氏は1986年にハワード大を卒業。カリフォルニア大の法科大学院を修了後に同州で検察官としてキャリアを重ね、州司法長官を経て2017年に上院議員に転身した。【ワシントン八田浩輔】