いつもの「にんじんしりしり」を大人な味で。赤ワインにも合う逸品に!
季節の野菜が持つ本来の美味しさを引き出すことを知り尽くしている料理家・平野由希子さんが、いま食べたい野菜で作る魅惑のお料理と、相性のよいお酒のペアリングを、時代のトレンドに合わせた視点で提案。今回は、思わぬおいしさに感動を覚える、にんじん&赤ワインのペアリングをお届け! 【写真】赤ワインに合わせたい!にんじん料理レシピ 晩秋が食べ頃のにんじん。一年を通じて食卓に並び、春と秋冬に旬を迎えるが、甘味が強くなるのはこれからの季節だ。 「にんじんは甘い野菜ですが、調理の仕方によっては単調で魅力に欠ける味になってしまうこともあります。今回は沖縄の家庭料理“にんじんしりしり”を甘味を足さないシンプルな味付けにして、ワインのおつまみになるように仕上げました」(平野さん)。 カレーや肉じゃがのにんじんに食指が動かないという人は意外に多い。このレシピと、にんじんのために選んだワインを合わせれば、にんじんのこれまでのイメージが一変するかもしれない。
アンチョビ風味のにんじんシリシリ
おなじみのキャロットラペよりも新鮮な味わい。シンプルな味つけでにんじんの味が引き立つ! <材料 2人分> にんじん1本(150g)、卵1個、アンチョビ2枚、にんにく1かけ、オリーブオイル大さじ1、塩、こしょう <作り方> 1 にんじんはスライサーでおろす。アンチョビは粗みじん切りにする。にんにくは半分に切ってつぶす。卵を溶きほぐし、塩少々を加え混ぜる。 2 フライパンにオリーブオイル、にんにくを入れて熱し、香りが出てきたら、アンチョビを加えて炒める。 3 にんじんを加えて塩、こしょうをして炒める。1~2分炒めたら溶き卵を加え、卵に火が入るまで炒める。 しりしり用のスライサー、チーズおろし器などでおろすと独特の歯応えに
【今月のお酒セレクト:アグリ・クール 2023 Muscat Bailey A 】
2022年創業のワイナリー。山形県上山市産のマスカットベリーAを、元ソムリエの片寄広明氏が宮城のワイナリー「ファットリア アル フィオーレ」を間借りして醸造。ラベルは市川ともか。 「にんじんには赤ワインを合わせたいのですが、柔らかく甘味のある赤がいい。マスカットベリーAの風味、酸味を合わせたらしっくりきました。アグリ・クールのワインは亜硫酸無添加の日本ぶどうによる味わい。日本の地域や文化のことを思わずにはいられない。そんなワインです」(平野さん) BY YUKIKO HIRANO 平野由希子 素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評のある料理家。書籍や雑誌、広告で活躍するかたわら飲食店のプロデュースや商品開発も手がける。日本ソムリエ協会認定ソムリエで、ワインと料理のペアリングが楽しめる料理教室も主宰。