収入が増えるだけじゃない⁉ Webライターが扶養を抜けるメリットと注意点
扶養内で働いている人のなかには「将来的には扶養を抜けて独立したい」「自立してキャリアアップしたい」と考えている人もいるのではないでしょうか。 【画像で確認】アラフォー女性がWebライターになって「扶養抜け」するまでの収入推移 そこで今回は、扶養内でWebライターを始め、現在では扶養を抜けて専業Webライターとして活躍しているNanaさん(@Nana00656876)にお話を伺いました。 Nanaさんは、小2と中1のお子さんを育てながら在宅でWebライターをされています。もともと高校で英語の非常勤講師として働いていたNanaさん。最初は、家計の助けになればと思いWebライターの仕事を始められたそうですが、今では家事育児と両立しながら満足のいく収入を得られているそうです。 今回の記事では、扶養を抜けるメリットや注意点についてお伺いしました。 * * * こんにちは!WebライターのNanaです。 私は、扶養内パートのかたわらWebライターを始め、今では扶養を抜けフリーランスのWebライターとして活動しています。 私が扶養抜けを意識し始めたのは、Webライターとして月収10万円を達成し、案件の受注を制限し始めたときです。 「扶養を抜けても大した収入が得られず、働き損になったらどうしよう……」と不安もありましたが、思いきって扶養を抜けた今、収入の面だけでなく人生の満足度も上がりました! 今回は、Webライターが扶養から抜けるメリットや注意点についてお話します。 ■Webライターが扶養から抜けるメリット 私が実際に扶養を抜けてみて感じるメリットは、以下の3つです。 ●収入の上限を意識する必要がなくなり、さらなる収入アップが見込める ●自信とやりがいを得られる ●スキルアップへの投資がしやすくなる 私の経験を交えながら解説します! ■収入の上限を意識する必要がなくなり、さらなる収入アップが見込める 扶養内で働いていたときは、月収が10万8,333円を超えないように仕事量を調整していました。扶養を抜けると年収の壁から解放されるので、思う存分仕事に打ち込めるようになります。 もちろん、扶養を抜けたからといって、誰でも収入アップできるとは限りません。ただ「扶養から出てマイナスにならないように」という思いが、より良い仕事を探したり、スキルアップに励むモチベーションになったりして、結果的に収入アップにつながったと感じています。 ■自信とやりがいを得られる フリーランスとして安定した収入を得るには、既存の発注主との関係を大切にしつつ、時には新たな発注主に営業する必要があります。 扶養内でいたときは、収入の上限が決まっていたので、自ら積極的な営業活動は行なっていませんでした。しかし今では、来月の収入見込みを立てながら、新規発注主への応募にも取り組んでいます。 その結果、扶養内でいたときの2倍以上の収入を得られるようになり、大きな自信とやりがいにつながっています。 ■スキルアップへの投資がしやすくなる 扶養内でいたときは稼ぎが少なく、スキルアップに投資することを躊躇していました。ライター講座やデザインコミュニティなど、興味はあったものの、お金をかけるのはもったいないと感じていたのです。 しかし、扶養から抜けて収入が上がったことで、学びに投資できるようになりました。現在は、Canva※を使ったデザイン講座を受講しています。 最初はYouTubeでの独学を試みたのですが、プロの講師から学べることで、はるかに速いスピードで力がついていくのを実感しています。 ※SNSの投稿画像やバナーなどが作成できるグラフィックツール ■Webライターが扶養から抜ける際の注意点 Webライターが扶養から抜ける際の注意点は、以下の3つです。 ●社会保険などの支出が増える ●配偶者や家族の理解を得る必要がある ●開業届や確定申告が必要 私の経験や失敗談を交えながら解説します。 ■社会保険などの支出が増える 扶養を抜けると、国民年金・国民健康保険に加入し、月々数万円の支払いが必要になります。さらに、扶養手当がなくなったり、収入額によっては、配偶者の税金が上がったりする可能性も。 扶養を抜けようか迷っていた頃、いろいろと調べた結果、年収200万円以上(月約16万円)稼がないと、採算がとれないと判断しました。(配偶者特別控除の壁は201.6万円未満) 月16万円以上稼げるか不安だった私は、新規の発注者と契約し、月額20万円が確定してから扶養を抜けました。 ■配偶者や家族の理解を得る必要がある 扶養を抜ける際には、配偶者や家族とよく話し合っておきましょう。社会保険料の増加や家事・育児の分担など、具体的な影響について共有しておくことが大切です。 私の場合、よく話し合わずに扶養を抜けたので、収入が低迷したとき、夫に不安を抱かせたことがありました。そのとき初めて、以下の内容を伝えて納得してもらったのです。 ●いつまでにどのくらい収入を伸ばす予定か ●そのために何をするか(営業をして発注主を増やすなど) 1年間試してみて、もし収支がうまくいかない場合は、再び扶養に戻ることも約束しました。 先に収支の見通しやリスク対策を共有しておけば、配偶者の理解を得やすくなるので、扶養から抜ける決断がスムーズになります。 ■開業届や確定申告が必要 Webライターの仕事で事業所得を得るようになったら、「開業届」を出す必要があります。私の場合は、あわせて「所得税の青色申告承認申請書」を提出しました。これらを提出することで、青色申告特別控除といって、さまざまな税制上のメリットを受けられ、節税ができます。 正直、開業届を提出するのはややこしそうに感じていましたが、実際はあっという間に完了しました。書類の記入は10分ほど、税務署への提出もすんなりと終わり、拍子抜けしたほどです。 また、収入を得るようになったら確定申告も必要です。(20万円超の所得があれば必要。副業の場合、20万円以下であっても住民税の申告が必要) 確定申告が面倒に感じている人も多いでしょうが、会計ソフトを使えば簿記の知識ゼロでも何とかなりました。 私の場合は、最寄りの税務署から記帳指導の案内がきて、近くの税理士さんに4回まで無料で相談に乗ってもらえたので、無事に確定申告を終えることができました。 記帳指導は全国的に行なわれており、枠があれば申し込めるので、気になる方は近くの税務署に問い合わせてみてください。 * * * 今回はフリーランスWebライターのNanaさんに、Webライターが扶養を抜けるメリットや注意点についてお話を伺いました。 個人で収入を得ると、新たな支出が増えたり、確定申告の手続きが必要になったりと、いくつかの課題に直面することもあります。その一方で、年収の制限から解放され、思う存分仕事に打ち込めるようになります。結果として、収入アップはもちろん、自身のスキルも大きく伸ばせる可能性があるようです。扶養を抜けるかどうか迷っている方は、ぜひNanaさんの体験談を参考にしてみてください。 ▶プロフィール Nana 小学生と中学生を育てるママライター。扶養内パートのかたわら副業でWebライターを開始。現在は扶養を抜けて、フリーランスのWebライター・ディレクターとして活動中。 文=YY 監修=税理士法人小原会計 小原 崇史