松山英樹3位に踏みとどまる 大逆転Vへ闘志「60台前半のスコアに照準」/国内男子ゴルフ
ダンロップフェニックス第3日(16日、宮崎・フェニックスCC=7042ヤード、パー71)2位で出た松山英樹(32)=LEXUS=は4バーディー、1ボギーの68で回り、通算13アンダー。首位との差は4打から7打に広がり順位も1つ下げたが、3位に踏みとどまった。逆転での日本ツアー通算9勝目を目指す。マックス・マクグリービー(29)=米国=が65で通算20アンダーとし、単独首位をキープ。6打差の2位に永野竜太郎(36)=フリー=がつけた。 猛追はならず、首位との差は4打から7打に拡大。松山英は雨が降り続いた宮崎の空のような、浮かない表情を見せた。 「なかなか思うようにいかず、ちょっと差が開いてしまった」 ショットが乱れ、2番でボギーが先行。7番(パー5)は1打目を右の林に打ち込んだ。しかし、冷静さは失わなかった。2打目は高い木に阻まれてピン方向を狙えない状況。あえて隣の5番ホールのフェアウエーに出した。残り156ヤードの3打目は9番アイアンで林を越えてグリーン手前まで運び、4オン1パットのパーでしのいだ。 同組のマクグリービーの勢いは止まらず、この時点で差は9打。それでも松山は8番(パー4)で2打目を2メートルにつけ、初バーディー。ともにパー4の13、14番でもバーディーを奪った。雨で重くなったグリーンでタッチが合わず、15、16番の好機は逃したが、順位は3位で終えた。 単独首位のマクグリービーは米下部ツアーで3勝しているが、米レギュラーツアーでの勝利はなし。世界ランキングは107位だ。松山は2021年「マスターズ」など同ツアーで10勝を挙げ、世界ランクは7位。圧倒的に格上で、マクグリービーは「日本で松山とラウンドできたことは夢がかなった気分」とこの日を振り返ったほど。最終日も最終組で同組で、直接重圧をかけられる。 もちろん、7打差は大きい。過去50回のこの大会で、最大の逆転Vが7打差。松山自身は今年2月の米ツアー「ジェネシス招待」の6打差が最大の逆転勝利だ。だが、闘志は失っていない。「60台前半のスコアに照準を合わせて。完璧なゴルフをしないとチャンスはない」。松山が、奇跡を起こす。(石井文敏)