（ブルームバーグ）： カリブ海の島国ハイチのアンリ首相が辞任する。国内で権力争いが生じ、西半球最貧国のハイチと米国にとって広範な意味合いを持つ可能性もある。

治安が急激に悪化しているハイチでの危機解決策を模索するため、会合を開いていた周辺諸国の地域共同体「カリブ共同体」（カリコム）の議長を務めるガイアナのアリ大統領は、アンリ氏の辞任は暫定首相を任命し、選挙準備を進める評議会の発足と同時に発効すると説明した。

ハイチではギャングが首都ポルトープランスを攻撃し、主要空港を閉鎖。治安回復に向けたケニア主導の多国籍部隊に対する支持構築のため、先月25日にハイチを離れていたアンリ首相は帰国できずにいた。状況が悪化する中、バイデン米政権はアンリ氏に対し、権力移行への支持を呼びかけている。先週末にはギャングが夜間に内務省に放火し、首都の警察署や政府機関を襲撃した。

ジャマイカで11日開かれたカリコムとの会合に参加したブリンケン国務長官は、ハイチへの派遣に備える多国籍部隊に追加で１億ドル（約147億円）を拠出すると表明した。

2021年に当時のモイーズ大統領が暗殺されたことを受け、アンリ氏は首相に就任し、権力の座に就いた。国際的な支持は得たが、ハイチ国内では治安悪化を理由に選挙を先延ばしする権力者としての受け止めが多かった。

原題：Haiti Prime Minister Henry Resigns as Violence Escalates (1)（抜粋）

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