いつかは育ててみたい!本気のサボテン
最近、人気急上昇中のサボテン。特徴的な刺や形、色などに各方面から熱い視線が集まっています。そこで今回は「本気」をキーワードにその魅力に迫ります。サボテンをセレクトしてくれたのは、世界中にオリジナル品種を送り出し、海外のコレクターからも注目を浴びるサボテン・多肉植物栽培家の芳山比斗志さん。『趣味の園芸』8月号「いつかは育ててみたい! 本気のサボテン」より、一部を抜粋して紹介します。 いろいろなサボテン(多肉植物・サボテン図鑑)
「刺」が本気
サボテンには刺のない種類もありますが、刺はサボテンの大きな特徴。特に魅力的な種類をピックアップしました。 こちらは、水牛大鳳玉(すいぎゅうたいほうぎょく)の名前を持つ、アストロフィツム・カプリコルネ・クラシスピナム。大鳳玉の園芸品種です。水牛の角のような刺が特徴で、刺の表面に凸凹があります。播種後、特徴のある苗だけを選抜。写真の株は新刺が黒くなる黒刺タイプです。低温時の過湿に弱いので冬期の水やりは控えめに。
「フォルム」が本気
ユニークな形もサボテンの大きな見どころ。螺旋形から綴化タイプまで、ユニークな姿が目白押しです。 こちらは、アストロフィツム・ミリオスティグマ 'エイリアンランポー紅葉タイプ'。エイリアンランポー(突然変異で異形になった鶯鳳玉)に、紅葉するタイプの碧瑠璃鶯鳳玉(へきるりらんぽうぎょく)を交配して日本で作出されました。鶯鳳玉(ランポー玉)は世界で交配が進むサボテンで、さまざまなタイプが存在します。同属の兜丸(かぶとまる)より根が丈夫で育てやすいですが、低温時の過湿は厳禁(根が傷むため)。
すごいサボテンを厳選しました
サボテンは漢字で仙人掌と書きます。手のひらのような形をした「ウチワサボテン」のイメージからでしょうか。でもサボテンの形はじつに多様。8月号では、ウチワサボテンや柱サボテン以外のサボテンの仲間から、刺、フォルム(形)、花、群生、色や模様の5つの切り口に沿って、選りすぐりのすごいサボテンを紹介しています。 写真の個体の多くはたった1つしかない親株ですが、同じ種類のものは流通しています(一部に超希少種もあります)。すでに育てている方はもちろん、ビギナーの皆さんも、いつか本気のサボテンにトライしてみませんか。じっと眺めれば、仙境に遊ぶ気分になること請け合いです。 教えてくれた人/芳山比斗志(よしやま・ひとし) サボテン・多肉植物栽培家 三重県生まれ。10代後半からサボテン栽培を始め、20代で専門店を設立。育種も手がけ、世界中にオリジナル品種を送り出している。『趣味の園芸』の「今月の管理・作業」多肉植物ページを執筆中。 ●『趣味の園芸』2024年8月号 「いつかは育ててみたい! 本気のサボテン」より