「奇跡としか言えない」必読の“音楽が題材のマンガ”を、OKAMOTO’Sのオカモトショウが紹介
バンドの理想像の青春群像劇『BECK』
3つ目の作品としてオカモトショウはハロルド作石の『BECK』をセレクトした。ひょんなことからバンドを組んだ学生たちが音楽と向き合い、バンドとしての成長を描いた青春群像劇だ。 オカモトショウ:メンバーそれぞれがヒーローなんです。コユキ、竜介、千葉、平、桜井というキャラクターがいて、「この人だけ見ていればいいや」という画じゃないんです。バンドの理想像として『BECK』で描いているのが「みんなの名前を覚えたくなるな」ということ。俺たちが好きなバンドもまさにそうだし、一人ひとり「あ、きっとこのベースはレッチリ(Red Hot Chili Peppers)の感じなんだろうな」「このラップの感じはRage Against the Machineかな」「この歌の感じはOasisかな」とか、音楽を好きで聴いている人が、このマンガを読むと連想されるようなものがある。俺たちはもちろん『BECK』を読んでバンドを組んだというわけではないのだけど、バンドを始めたときに『BECK』があってよかったなみたいな、そんなマンガです。 あっこゴリラ:いいね。全員ヒーローみたいな話があったけど、これって音楽マンガに限らず『SLAM DUNK』や『ワンピース』もそうだけど、モブこそ超かっこいいみたいな。「こいつ一番やべえじゃん」みたいにさせるマンガ大好き(笑)。 番組ではオカモトショウがセレクトしたRed Hot Chili Peppers『By The Way』をオンエアした。
音楽への1つの答えだと思えるマンガ
続いてオカモトショウが選んだマンガは五十嵐大介の『魔女』。2巻で完結している短編集で、2巻に収録されている「うたぬすびと」が特に音、歌にフォーカスした話になっているという。 オカモトショウ:女の子がある日思い立って、いろいろな悶々とした気持ちを抱えて旅に出ます。その先で出会った女の人に言われて「旅であなたはこの神聖な島に行きなさい」と言われて行ったら、そこで初めて世界が歌でできていることを知り、自分が目覚め……。そこから「持って帰ってはいけないよ」と言われたものを持って帰ってしまったせいで……というあらすじですが、これだけ聞いても「なんの話だろう」と思います。 あっこゴリラ:すごく読みたい。 オカモトショウ:古代ギリシア語で「アトム」と呼ばれるもの(原子)、もののすべてを作るもとになっているアトム(原子)の動きを説明するときに使う言葉が(現在使われる)「リズム」の原語になりました。だからものにはすべてリズムがあって、そのリズムがお互いに影響し合って世界が歌を歌っている、というある種哲学に近いですよね。それがこの作品が歌にフォーカスしていると挙げた理由です。そんな素敵な世界のとらえ方があるのだと。あと俺たちはミュージシャンだから「音楽ってなんなんだろう? なんで俺はこんなに心を惹かれるんだろう」ということの1個の答えのような気がするぐらいです。 あっこゴリラ:これはやばい。 オカモトショウ:「なんの話だろう」思いつつだと思いますが、読んでみたら伝わるものもあると思いますのでぜひ読んでもらいたいです 番組ではオカモトショウがセレクトしたThe Beatlesの『Tomorrow Never Knows』をオンエアした。