トヨタ、認証不正で再発防止策 国交省に提出 経営層の関与強める
トヨタ自動車は8月9日、認証不正に関する国土交通省からの是正命令を受け、再発防止策を同省に提出したと発表した。認証業務に対する経営層や幹部の関与を強めるほか、開発や認証業務の管理手法を改善、不正リスクに対応した体制の構築などの取り組みを盛り込んだ。同日、都内のトヨタ東京本社で記者団の取材に応じた佐藤恒治社長は「経営と現場の両軸で大変、多くの課題があったと認識している。改めて経営の責任を認識しつつ、再発防止の先頭に立って、全社一丸となって取り組んでいく」と語った。 トヨタが追加発表した不正行為と対象車種の一覧 再発防止の骨子として、(1)会社全体の業務運営体制の再構築、(2)自動車開発・認証全体の業務管理手法の改善、(3)不正リスクに対応した法規・認証関連業務の実施体制の構築、の3つを挙げた。 国交省からは、経営幹部による認証業務への関与が不十分であったことが指摘されており、再発防止策では佐藤恒治社長から全社員に向けて継続的にメッセージを発信することや、CTO(最高技術責任者)の中嶋裕樹副社長とG-CQO(最高世界品質責任者)の宮本眞志カスタマーファースト推進本部長が、それぞれ開発と認証の総合判断責任者とすることを明記した。 認証業務の体制強化の具体策として、佐藤社長は「今の業務ボリュームに対し、現状の反省としてはリソーセスが足りていない」と述べ、認証関連業務に携わる人員を将来的に1割程度増やす方針を示した。老朽化している試験設備なども必要に応じて更新する。 トヨタは、過去生産車も含む7車種で認証不正があったと6月3日に公表。7月5日に最終的な調査結果として「追加の不正は見つからなかった」と公表していたが、国交省の立ち入り検査の結果、新たに7車種で不正が発覚し、31日に同省から是正命令を受けていた。