秋田・大曲の花火がモントリオール国際花火大会へ 「和のハナビと音楽ストーリーを融合」
夏の全国花火競技大会として知られる秋田県大仙市の「大曲の花火」が、カナダ・モントリオール国際花火大会の競技部門に日本から12年ぶりに出場する。花火と音楽をシンクロさせる草分け的大会で、大曲の花火師は「和のハナビと音楽ストーリーを融合させる」と意気込み、かつて出場した東京や長野の花火師からも「海外ならではの事情に注意して優勝を」とエールが飛ぶ。 【写真】1万8000発の色鮮やかな花火が打ち上げられた昨年の大曲の花火 ■壮大なスペクタクル モントリオール国際花火大会は1985年から現在の開催形式になり、38回目の今年は6月27日から8月1日まで続く。コンペティション(競技部門)には日本、イタリア、オーストリア、メキシコ、カナダ、フランスの6カ国が出場する。 日本勢は秋田県大仙市の花火製造・打ち上げ4社(小松煙火工業、北日本花火興行、和火屋、響屋大曲煙火)でつくる大曲の花火協同組合。6カ国の先陣を切って現地時間7月4日夜に打ち上げる。 昨春、マルタ共和国で開かれた国際花火シンポジウムで、モントリオール側から「大曲の花火」実行委員会に出場の打診があった。国際大会出場は各社単独では過去にもあるが、組合としては初。夏は花火繁忙期で、各社の負担軽減の意味からも「チーム大曲の花火」での参加となった。 同組合代表理事で小松煙火工業社長の小松忠信さん(60)は「花火と音楽をシンクロさせる草分け的な大会。競技大会というと日本では一日で全出場者が打ち上げるが、現地では1カ国ずつ。30分で4600発を打ち上げ、煙にレーザー光を当てる5分間の演技が必須。目の肥えた審査員ばかり」と説明する。 チームのテーマは「The greatest HANABI show」 「大いなる日本の花火のショーという意味。欧米は光る線の動きを見せるコメットやマインが主流なのに対し、日本は丸く開く割物が伝統。特に直径330メートルもの花火が均整のとれた真球状に広がる尺玉(10号玉)は世界でも日本だけの技術。これに大曲の大会で培った創造花火と音楽を組み合わせ、壮大な花火スペクタクルを楽しんでいただく」と小松さん。 製作した花火玉はすでに船便で出荷しており、6月29日に4社の花火師ら10人が現地入りする。