秋田・大曲の花火がモントリオール国際花火大会へ 「和のハナビと音楽ストーリーを融合」
■8月に国内披露も
同大会競技部門の日本勢出場は12年ぶり。
第1回で金賞を獲得した丸玉屋小勝煙火店(東京都府中市)の小勝康平社長(42)は「国内とは事情が違うので資機材の搬入や設営、演出の打ち合わせなど現地スタッフといかに協力して進められるかが大切で、水や食べ物が違うので日本側スタッフの体調管理も欠かせない」と指摘。
94年の第10回で銅賞となった日本橋丸玉屋(東京都中央区)の小勝敏克社長(74)は「大会は音楽花火の聖地で、曲と花火のストーリー性、色使い、空間表現のあらゆる面が審査される。それはカルチャーショックであり、その後のわれわれのエンターテインメントとしての花火の原動力になった」と振り返る。
2012年の第28回に出場した紅屋青木煙火店(長野市)の演出担当、平山英雄さん(48)は「〝日本〟を前面に出すのはもちろんだが、現地の好みを理解して、観客に受ける演出をすることが大切だと痛感した。百聞は一見にしかず。貴重な経験だった」と打ち明ける。
そして3人は「久しぶりの日本勢出場であり、チームには大曲の花火の神髄を存分に発揮、披露してほしい」とエールを送る。
チームは、全国28業者が参加する8月31日の第96回全国花火競技大会(大曲の花火)の大会(主催者)提供花火で、モントリオールでの妙技を披露する。
大曲商工会議所会頭で「大曲の花火」実行委員長の斉藤靖さん(61)は「モントリオールで世界一の称号を獲得し、大曲の花火を世界に発信したい。すでに仏カンヌの大会からも打診があり、出場につなげたい」と意欲をのぞかせる。(八並朋昌)