【インタビュー】ヤマハがYZF-R9を日本初公開! 「誰でも高性能を味わえるYZF-R1でもR6でもない、新しいスーパースポーツです」
ワールドスーパーバイク最終戦、へレスサーキットで世界初公開されたYZF-R9が、早くも日本に初登場。その舞台は、全日本ロードレース最終戦「MFJグランプリ」が行われている鈴鹿サーキットだ。 【画像】YAMAHA YZF-R9をギャラリーで見る(20枚) 写真/文:Webikeプラス 中村浩史
レース参戦も視野に鈴鹿サーキットでお披露目!
ニューモデルをヨーロッパで初公開、次は秋のEICMAに出展、が近年のメーカー発ニューモデルのセオリーなのに、ヘレスのWSBKの次に現車が登場したのは日本だった。われわれ日本のファンには、ちょっと嬉しいサプライズだ。 「これまでも、ニューモデルはヨーロッパのショーや東南アジアで初公開、それから日本登場というパターンが多かったんですが、このR9は日本のスポーツバイク好きのお客さんを忘れてないぞ、というアピールのモデルでもあるんです」というのは、この日のプレスカンファレンスに出席してくださった、ヤマハ発動機のYZF-R9開発スタッフのひとり、兎田潤一さんだ。
スーパースポーツ的な楽しさを「辛さなしに」楽しんで欲しい
YZF-R9は、890ccの排気量を持つ4ストローク並列3気筒エンジンを搭載。これは現行のMT-09シリーズに搭載されている「CP3」エンジンをベースに、エンジン本体はそのまま、制御系やマッピング、点火時期などのセッティングを専用設定。 最高出力は119ps/10000rpm、最大トルクは9.5kg-m/7000rpmと、MT-09やXSR900GPと同じ数値ながら、そのパワーフィーリングは、よりスーパースポーツ向けに専用設定されているという。パワーモードも1/2/3/4(スポーツ/ストリート/レイン/ユーザー設定)と同じ4種類ながら、その出力特性は専用設定だという。 ヤマハは、このYZF-R9を「スーパースポーツ」カテゴリーとして発表している。ヤマハのスーパースポーツといえば、もちろんYZF-R1をトップに、YZF-R6がそれに続くが、R1/R6のスーパースポーツ的な楽しさを、スーパースポーツ的な辛さなしに味わってほしい、という方向性なのだという。 「たとえば、自宅から離れた場所に感じのいいワインディングがある、と聞きつけたとしますよね。R1やR6で走ってみたいけど、その移動はツラいものです(笑)。 だから、スーパースポーツだけれど、ハンドルはトップブリッジ下にマウントしていながら、YZF-R7風に低すぎない位置としましたし、ステップ位置も、R1やR6よりも下げて、ツーリングにだって使えるポジションとしています。 クイックシフターはスーパースポーツにあって当然のメカですが、スーパースポーツにはなくて当然の、クルーズコトロールも標準装備にしてみました。スマホ連動もできるし、ツーリングにも使えるR1といったイメージです」(兎田さん)