【C大阪】“イケオジ”パパス新監督が初日から熱血指導 若手育成と攻撃的サッカーで「リーグ優勝へ」
セレッソ大阪の“イケオジ監督”が、初日から熱血指導を行った。 チームは9日、大阪市の本拠地ヨドコウ桜スタジアムで始動。クラブ史上初となるオーストラリア人のアーサー・パパス新監督(44)が、練習で初めて指揮した。 横浜F・マリノス時代の19年はポステコグルー監督の下でコーチとしてリーグ優勝し、20年にヘッドコーチに昇格している。 この日の指揮官は「ちょっと体調が悪く、少し声が出ないのでご了承を」と話しつつ、練習の冒頭はドリンクを片手にピッチに立った。 大阪に今季最強寒波が襲う中、時間の経過とともに声のトーンが上がる。始動日は通常、サポーターへの顔見せの意味もあり、簡単な練習に終始してきたが、狭いコートでのミニゲームも含めて2時間たっぷりの指導だった。 しっかりと整えられた髪形に、おしゃれなメガネ、口ひげも蓄えた“イケてるオジさん”パパス監督は、その後の新体制会見で所信表明した。 「若手をしっかり育成し、少しでもトップチームに上げたい。魅力的、攻撃的なサッカーを合わせた上で実現できれば、リーグ優勝に必ずつながっていくと信じている。もちろん、目標に近づくには簡単な道はないし、ハードワークが必要と思う」 11年前にプロ指導者の資格を取る際、来日して偶然にもC大阪の試合を見ていたという。そんな不思議な縁を披露しながら「そこから月日がたったが、アタッキングフットボール、攻撃的なチームを作ることや、若い選手を育てていく(ポリシーは)変わっていない」と歯切れがいい。 関係者によると、7日に全体ミーティングを行った際も、クラブのメディア戦略などを理解し、サポーターが見学できる練習公開日の設定にも賛成した。「言葉は厳しく聞こえることがあるかもしれないが、まっすぐな人間性を感じた」と証言する関係者もいる。 クラブが設定した今季の目標は、タイトル獲得とリーグ戦3位以内、そして同時進行での若手育成だ。 横浜時代に当時コーチだったパパス監督から指導された、今季からC大阪に加入したDF畠中槙之輔(29)は「僕たちのプレーでうまくいかないことがあれば相談していたし、向こうからも近づいてくれた。サッカーに対し情熱的な監督。アーサーについていき、選手、サポーターが一丸となれれば、優勝できると思う」と力強い。 クラブ設立30周年だった昨季、無念のリーグ戦10位に終わったC大阪。今季J2サガン鳥栖で指揮を執る小菊昭雄監督が作った昨季までの長所を残しつつ、イケオジ監督が刺激的な化学反応を起こしてくれるかもしれない。 ◆アーサー・パパス 1980年2月12日、オーストラリア・メルボルン生まれ。29歳だった09年に母国のU-18代表アシスタントコーチに就任。母国オークリーキャノンズやインド、サウジアラビアのクラブで監督、コーチを歴任。ポステコグルー監督就任2年目の19年に横浜コーチに、20年にヘッドコーチ昇格。21年にJ3鹿児島監督に就任も、コロナ禍で家族が体調を崩し双方合意で途中退任。その後はタイ1部ブリラムも率いた。