全ての仕事に共通する思考法...コカ・コーラ社の営業マンが「葬儀会場」に目を付けたワケ
地方のFラン大学卒で0から営業を始めた著者は、いかにして「日本一の営業」へと大変貌を遂げたのか? 「毎日が凄く辛い」「外回りをしている自分が情けない」...消極的に取り組み始めた営業の仕事が天職になるまでには、どんな心境の変化があったのか? 人と人との関わり合いである営業で得た「学び」には、どんなビジネスにも活かせるヒントが満載。仕事への向き合い方や他者の心の動かし方に迷うビジネスマン必読の話題作『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』(山岡彰彦著)から、内容を抜粋して紹介する。 【漫画】頑張っても結果が出ない…「仕事のできない残念な人」が陥るNG習慣 『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』連載第12回 『答えは「現場で」見つかった...職場で「唯一無二」の結果を出す「常識にとらわれない」アイデアの秘密』より続く
アイデアが生まれたのは…
ある日、取引先のお店のお婆様がお亡くなりになりました。店は急遽、シャッターを下ろして臨時休業です。ところが悪いタイミングで、集金伝票が手元にあります。おそるおそる電話を掛けてみます。 「大変な時に申し訳ありません。今月の集金の件ですが……」 すると柔らかな声で店の奥さんからの返事が聞こえてきます。 「迷惑を掛けてごめんなさいね。明日、葬儀会場まで来てくれないかな」 「いえ、迷惑なんてとんでもありません。でも、そんな大変なところにお伺いしても……」 言葉を濁しますが、本音は頂ければと思っています。 「いいわよ、気にしなくて」 こちらよりもはるかに向こうのほうが気を遣ってくれている感じです。
ヒントは散りばめられている
翌日、伝票を持って会場に伺います。地方のことなので、取引先、ご親戚、近隣からも多くの方が参列し、結構な人数です。不釣り合いな制服姿でその中に入り、奥さんを探します。なんとか見つけ出して声を掛けます。 「申し訳ありません」 「悪いわね、こんな場所で。結構な人で見つけるのが大変だったでしょう。このあたりは冠婚葬祭にはたくさんの人が来るからね。はい、ここに今回の分が入っているから」 そう言って封筒を渡してくれました。 「ありがとうございます。大変な時に申し訳ありませんでした」 丁重に頭を下げて早々に退却です。