全ての仕事に共通する思考法...コカ・コーラ社の営業マンが「葬儀会場」に目を付けたワケ
見方を変える
翌日も新規開拓ですが、相変わらず訪問先の糸口が見えないままです。クルマの中であれこれと考えながら、昨日は申し訳なかったなどと思い出していました。そのとき葬祭会館の看板が目につきました。 「葬祭会館すみれ。そう言えば大きな葬祭会館が幾つかあるな。待てよ。昨日は結構な人数が来ていたよな。会場では食事もするだろうし、短時間に多くの飲料を準備しなければならないのではないだろうか」 小林部長の言葉を思い出します。 「まず相手の都合から考える」 早速、葬祭会館すみれに連絡してアポを取ります。葬祭会館すみれの田中常務はいままでいろいろなアイディアで他社との差別化を図ってきた方でした。提案すると、機材の設置もこちらが拍子抜けするくらいの短時間で決まってしまいました。 商談の場で田中常務が私に言ってくれたのは「すべての仕事に言えることなのかもしれないけれど、見方を変えれば違うものが見えてくる。たとえば自分の仕事をお客さんの側から見ることが大切なんだ」ということ。 まさしくすべての仕事に言えることだと思います。いま、それを目の当たりにしているのですから。 『営業としては「失格」だったのに...国際的に活躍するシェフの心を開いたコカ・コーラ社営業マンの意外な「姿勢」』へ続く
山岡 彰彦(株式会社アクセルレイト21 代表取締役社長)