入社2年でリーダー、先輩の提案却下も。“ニッチ”で勝負する宮崎のエア遊具レンタル会社の、新商品生み続ける社風
柳田 「半強制的ながら読書習慣がつきました(笑)。最初は直感で面白そうな本を選んでいたけれど、今では『タイムマネジメント』など自分が必要としているテーマを選んでいます」 関東支店長の井上一希さんによると、読書会は、知識の共有はもちろん、誰がどんなことに関心を持っているのかを知るコミュニケーションの一助にもなっているそうです。井上さんの机にはビジネス書の山があり、「同僚に貸すこともあります」。
共感を呼ぶ採用の極意
ワン・ステップは全国的な知名度が高いわけではありません。新卒者向けの合同説明会に参加しても、ブースに足を向ける学生が少ないことが悩みだったといいます。2020年以降、学生側がエントリーシートを提出するのでなく、企業側から学生に接触する就活サイト「オファーボックス」を活用しています。山元さんが言います。 山元 「わが社を知ってもらったうえで『嫌だから断る』というなら構わないです。『あっちの会社の方がいいから断る』でもいい。でも、『知らないから断る』はよくない。結局、わが社の業務に魅力を感じ、私たちの思いに共感してもらわないと、いい採用につながらない。こちらの熱意を伝え、社内や現場を見てもらい、なるべく多くの社員と接してもらうよう心がけています」
2022年に入社した中野晶さんは東京都出身。オファーボックスで連絡を受けるまで社名も遊具レンタル業の存在も知らなかったといいます。会社側から「自分の企画を実現できる」「家族連れを笑顔にする仕事」などと説明されるうち、心が動きました。中野さんが言います。 中野 「内定をもらってもすぐには決断できませんでした。アルバイトに誘われ、現場で社員のみなさんの働きぶりを見て、私もやってみたいと思うようになりました。想像以上のスピードでどんどん仕事を任され、1年でずいぶん成長できた実感があります」
カーネル・サンダースの言葉
山元さんは「社員に対し、会社が人材育成を重視している姿勢を示すことが大切だ」と力を込めます。 山元 「私もそうですけど、周りに期待してもらったり、大事にされていると感じたりしたら、すごく頑張ることができますよね。だから一生懸命に社員を育て、『私も戦力として活躍できている』と実感してもらうことが重要だと思っています」