米CPIコア指数、3カ月連続で同率の伸び-インフレ抑制足踏み
米連邦公開市場委員会(FOMC)は先週、0.25ポイントの利下げを実施。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は会合後の記者会見で、今回の大統領選は当面の金融政策決定に「何ら影響しない」と回答。財政政策が変わる可能性について、その時期や内容を理解するには時期尚早だと指摘した。
中古車の価格は前月比2.7%上昇と、この1年余りで最大の伸び。ホテル宿泊費は0.4%上昇。ハリケーン「ヘリーン」と「ミルトン」による被害や避難命令を反映している可能性がある。
航空運賃は上昇が継続。医療保険は0.5%伸びた。労働統計局が保険料の基礎データを変更したことが背景にある。一方、衣料品の価格は新型コロナウイルス禍が始まって以来の大幅低下となった。
住居費
サービス分野で最大部分を占める住居費は0.4%上昇し、前月から伸びが加速。持ち家のある人がその家を賃貸する場合の想定家賃である帰属家賃(OER)も0.4%上昇した。
ブルームバーグの算出によると、住宅とエネルギーを除いたサービス価格は0.3%上昇。前月から伸びが鈍化した。FRBは全体的なインフレの道筋を見極める上で、こうした指標を確認する重要性を強調しているが、当局は別の指標に基づいてこれを算出している。
当局が重視する個人消費支出(PCE)価格指数は、CPIほど住居費のウエートが高くない。PCE価格指数が当局目標の2%に近づきつつあるのは、それが一因だ。
食品とエネルギーを除いた財の価格は2カ月連続で上昇。過去1年間の大半において低下していた。ただ、中古車を除いたコア財価格は0.2%低下し、今年最大の下げとなった。
医療保険や航空運賃など、強い伸びを示したCPI項目のいくつかは、PCEにそのまま反映されることはない。今月下旬に発表されるPCE価格統計は、比較的落ち着いた内容になりそうだ。
米金融当局は賃金の伸びにも注目している。経済の主要な原動力である個人消費の見通しを占う手掛かりとなり得る。別の統計によれば、10月の実質平均時給は前年同月比で1.4%上昇と、9月と同率の伸びとなった。