米CPIコア指数、3カ月連続で同率の伸び-インフレ抑制足踏み
(ブルームバーグ): 米国のインフレは10月も引き続き堅調な伸びを示した。インフレ目標の達成を目指す米金融当局者が直面しているリスクを浮き彫りにした。
ブルームバーグの算出によると、コア指数は過去3カ月の年率ベースでは3.6%上昇し、4月以来の高い伸びとなった。
エコノミストはインフレトレンドの指標として、総合CPIよりもコア指数の方が好ましいと見なしている。総合CPIの前月比上昇率の半分以上は住居費が占めたと、統計発表元の労働統計局は説明した。
インフレとの闘いが足踏み状態となっていることを今回の数字は浮き彫りにしている。インフレは全般的には下方傾向をたどりながらも、数カ月にわたって横ばいで推移することもある。財の価格が過去1年にわたって低下した後、上昇し始めており、住宅コストは堅調な伸びが続いている。
自動車保険は小幅に低下したが、2022年の年初以降では2度目のマイナスにとどまり、消費者の負担が軽減するには至っていない。
米金融当局は今後数カ月にどの程度速いペースで利下げをすべきか議論を進めている。強い消費や経済成長も踏まえると、今回のCPIを受けて当局は慎重姿勢を維持する見通しだ。労働市場が冷え込みつつある中、インフレの鈍化が当局の利下げ論拠の重要な要素となってきた。
ウェルズ・ファーゴのエコノミスト、サラ・ハウス氏とマイケル・パグリース氏は「インフレのデータは過去数カ月にわたって、一段の進展をそれほど示していない。選挙結果を受けて、物価上昇の道筋に関して新たな疑問が浮上している」とリポートで指摘。「結果として、FOMCが利下げペースのさらなる減速を示唆する時期が迫っていると当社では考える。2025年からは2会合に1回のペースになるかもしれない」と記述した。
トランプ次期政権下で実施される新たな政策も考慮しなければならない。同氏が公約に掲げた輸入品への関税引き上げを見越して、企業は既に値上げを検討している。