トラックの電子けん引や無人バス・タクシー、自動運転事業化へ実験活発化
無人自動車利用、お年寄りのスマホ操作に課題?
隊列走行実験が行われた浜松市では、同市と遠州鉄道、スズキ、SBドライブの4者が連携して自動運転技術を活用したスマートモビリティサービスの事業化を目指す取り組みが行われている。 同市産業振興課の米村仁志副主幹は「自動運転技術を使って地域の交通課題を解決していくプロジェクトです。公共交通が空白な地域の交通手段として、また、浜松市は政令市の中でもっとも交通事故が多いため交通事故を減らす対策として活用していくことを検討しています」と話す。 昨年12月7日~19日には、廃線となったバス路線で1回目の実証実験が行われた。 無人の自動運転車を地域住民の移動手段として走らせることを念頭に、実験では一般車両を自動運転車に見立てて走らせスマートフォンによる予約システムや、運行管理システム、車内に搭載する監視カメラの状態について検証した。 実験は遠州鉄道のバス営業所に実際に管制センターを設置して行われ、地域住民34人がモニターとして参加した。 「利用者が事前にスマートフォンで予約すると、無人の自動運転車が最寄りの停留所に停車する仕組みを検証しました。予約した利用者が自身のスマートフォンを操作して車のドアを開閉し、それが乗車した人と予約した人が同じだということの認証になります」と米村副主幹。 モニターとして参加したお年寄りの中にはスマートフォンを使ったことのない人もおり、高齢者にも使い勝手のいいシステム作りなどの課題が明らかになったという。 浜松市が実証実験で取り組んだのは、遠隔型自動運転システムによる無人自動運転移動サービスの実現を見据えた予約や運行管理、車内監視システムの検証だ。東京都内や愛知県内では、昨年12月に遠隔監視する無人自動運転車の公道走行実験が行われた。 官民ITS構想・ロードマップでは2020年までに限定地域で無人自動運転移動サービスの実現を目指すとしており、事業化に向けた官民をあげた取り組みは今後さらに活発化していくと予想される。