【加部究のフットボール見聞録】復帰戦で再確認したイニエスタの凄み
新監督は「リーダーの資質を見せてくれた」
筋肉系の怪我をしていたイニエスタは、15節のFC東京戦で4試合ぶりの復帰。いきなり決勝ゴールを決めてみせた。(C)SOCCER DIGEST
味の素スタジアムのゴール裏では、通常雨を嫌うカメラマンたちが笑みを湛えていたそうだ。 東京は曇天の前日が最高26.8度と蒸し暑く、晴れ渡った翌日は30度を超えたから、キックオフ時点での17.8度は奇跡的に訪れた絶好のコンディションだった。ホームチームには少々気の毒だが、カメラマンが喜んだのは、関東ではなかなかプレーを拝めないアンドレス・イニエスタの出場時間が延びるかもしれないと思ったからだ。 実際、彼らは最高の仕事ができたに違いない。終始被写体にはボールが集まり、マジックの数々を披露した末に決勝ゴールも決めてみせる。終了のホイッスルが鳴ると、神戸のトルステン・フィンク新監督にビブスを着たまま抱き上げられた。 着任早々のアウェー戦で首位のFC東京を倒し、かつて現役時代にバイエルンの黄金期を地味に支えた指揮官は饒舌だった。 「どちらに転ぶか分からない試
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