ふるさと納税来年から「ポイント禁止」だけど…お得度が高い返礼品は?
25年10月からふるさと納税のポイント付与禁止に
自分の好きな自治体に寄付することで、実質2000円の自己負担で特産品などがもらえる「ふるさと納税」。2024年度分の税額控除を受けるためには、12月末までに寄付を済ませる必要があるため、年末が近づくと、駆け込みで寄付する人も多いのではないでしょうか。近年は、ふるさと納税のルールが変更になる動きも出てきています。今回は、ふるさと納税の最近のトレンドとお得な返礼品についてお話しします。 まずは、ふるさと納税の仕組みについて、簡単におさらいをしておきましょう。 ふるさと納税とは、自分が選んだ市区町村に「ふるさと納税」という名の寄付を行うことで、2000円を超えた寄付分が所得税、住民税から控除される制度です。寄付をした市区町村からは、寄付額に応じた返礼品が送られてくるため、実質的に2000円の支払いで市区町村から返礼品がもらえるという制度になっています。 ふるさと納税は、自分が住んでいる自治体に納める住民税の一部を預け替えするような制度ですので、「節税」にはなりません。しかし、自治体の返礼品を2000円の自己負担でもらうことができるので、結果として返礼品の分だけお得になります。 ふるさと納税の返礼品の還元率は最大30%ですので、たとえば5万円を寄付すれば、1万5000円の返礼品が自己負担2000円でもらえることになります。 具体的な寄付の限度額は、本人の所得や家族構成によって大きく異なります。ふるさと納税を行える各種のポータルサイトでは、年収や家族構成、扶養家族などの情報を入力するだけで、寄付限度額を計算してくれるシミュレーターが設けられているので、自分の限度額を調べてみましょう。 ふるさと納税の仕組みを詳しく知りたい人は、過去の記事もご覧ください。 ふるさと納税を行うときに、多くの人がふるさと納税ポータルサイトを利用します。サイトで返礼品が検索でき、気に入った返礼品があればネットショッピング感覚で注文できるので便利です。しかも、サイトによってはポイントも得られるため、人気となっています。 しかし、総務省は今年6月、ふるさと納税ポータルサイトがふるさと納税の寄付に対してポイントを付与することを2025年10月から禁止する方針を発表しました。 禁止する大きな理由としては、自治体の経費削減が挙げられます。自治体はふるさと納税ポータルサイトの運営者に対し、寄付額の10%程度の手数料を支払っています。総務省は、この手数料の一部がポイントの元手になっているとして問題視しています。そこで、ポータルサイトでのポイント付与を禁止することで、自治体の手数料負担を減らす(=自治体に入る金額を増やす)ことにつなげようと考えているのです。 また、ふるさと納税の本来の趣旨は、自分のふるさとや応援したい自治体を支援するというものです。ポイント付与が多くなると、ポイント目的の寄付が増えてしまい、本来の趣旨とは異なるふるさと納税の利用を助長している可能性があるので、それを減らそうというわけです。 政府の発表を受けて、ふるさと納税ポータルサイト運営者の反応はまちまちで、なかにはポイント付与禁止に反対する署名運動を展開するところも。反対に、制度変更に一定の理解を示しているポータルサイトもあります。 25年10月からはポータルサイト独自のポイント還元が得られなくなる見込みですが、それまではポイントサービスを上手に活用しましょう。