70歳代「夫婦世帯の貯蓄額・年金額」は平均でいくら?セカンドライフに経済不安を抱える人は8割
夫婦世帯の年金収入はいくらになる?「厚生年金・国民年金」の平均受給額を確認
続いて、厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、厚生年金・国民年金の平均受給額を確認していきましょう ●厚生年金の平均受給額を確認 ・〈全体〉平均受給額(月額):14万3973円 ・〈男性〉平均受給額(月額):16万3875円 ・〈女性〉平均受給額(月額):10万4878円 ※国民年金部分を含む ●国民年金の平均受給額を確認 ・〈全体〉平均受給額(月額):5万6316円 ・〈男性〉平均受給額(月額):5万8798円 ・〈女性〉平均受給額(月額):5万4426円 夫が厚生年金、妻が国民年金を受給する世帯を想定すると、夫婦で受給する年金収入は平均して月額21万8301円、約22万円になります。 この金額で老後の生活費を賄うことができるのか、疑問に思う方も多いでしょう。 次章では、一般的な夫婦世帯における老後の生活費を具体的に確認し、年金収入でどこまで対応できるかを検討していきます。
【65歳以上の夫婦のみの無職世帯】老後の家計収支はどのくらい?赤字額も確認
総務省の「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支は下記の結果となりました。 ・実収入:24万4580円(うち社会保障給付:21万8441円) ・非消費支出:3万1538円 ・消費支出:25万959円 1ヶ月の家計収支は約3万7916円の赤字となっており、年金生活を送る夫婦世帯では、年金収入だけでは生活が厳しく、私的年金や子供からの仕送りなどで収入を補うケースも少なくありません。 しかし、それでも家計を安定させるのは容易ではなく、物価上昇や円安の影響により、シニア世帯への経済的プレッシャーは今後も増大すると予想されます。 政府は秋ごろを目途に年金世帯や低所得世帯に向けた追加給付を検討していますが、これは一時的な支援に過ぎず、家計圧迫の根本的な問題を解決するには限界があるでしょう。 将来のインフレリスクや生活費の変動に備えて、現役世代は早めに老後の準備を進めることが重要です。